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眞栄田郷敦、映画「ブルーピリオド」原作者・山口つばさと対談 キャリアの転機&若者たちへのメッセージ

映画.com / 2024年8月10日 12時0分

 だから、八虎という他人を演じても、どこまで行っても自分だ、という意識が強いです。もちろん、原作の八虎は自分とは思えないですが、映画は、脚本を自分なりに解釈をして作った八虎なので、映画の中での八虎は、やっぱり自分だ、っていう感覚ですね。

山口:なるほどー(深く頷く)。それは面白い!

――今回、この作品で眞栄田さんは八虎として受験絵画に取り組みました。八虎と同様に最難関の東京藝術大学に進んだ山口先生に聞きたいことはありますか?

眞栄田:山口先生も東京藝大を受験されたんですよね?

山口:そうです。幼稚園の頃からお絵描き教室に通って、高校も美術系で、中学の時からデッサンもバリバリやっていて……そこはかなり八虎とは違いますね。

眞栄田:その経験から、漫画で描かれた“努力する人間と天才”、そういうことを考えたんですか?

山口:考えましたね。ただ、当時は“天才”の魔力に引っ張られましたが、今はそこまで思わないです。あ、でも、ほかの漫画家さんに対して、そう思うことはあるかも。それでも、昔ほどギラついた言葉としては捉えていないですね。

眞栄田:八虎の“俺にはこれしかない”っていう気持ちの解釈で、僕は高校生にとって、受験って人生の全てみたいなことがあるのかなと思って。この大学に行けなかったらその先、どうすんだろう……と考える、そういう気持ちを大事に、受験までの1年半~2年間が人生の勝負ぐらいの感じで演じました。実際に受験を経験された当時の山口先生はどうだったんですか?

山口:もちろんそういう気持ちはかなりありました。「受験なんて通過点だよ」みたいなこともよく言われますが、当人にとってその時はそれがすべてだし、将来のことなんて、想像できなかったです。でも、その頃の狂気的な熱量を軽んじるのは良くないな、って、今は思います。「青春だよね」とか「人生の通過点だよね」っていうの、なんだかずるい大人の言葉だなって。

眞栄田:そうですよね……よくわかります。

 今回、映画の八虎は、そういったところも含めて苦しんでる姿を強く表現したかったんです。だから、原作より必然的に不器用になったのかなと思います。

▼実は、高校時代は今の職業に就くことを想定していなかったふたり

――“好き”にまい進する、がこの作品のひとつのテーマです。眞栄田さんも山口先生も、今、それぞれのフィールドで大活躍されていますが、眞栄田さんは元々音楽の世界を目指しており、山口先生も藝大入学当初は漫画家志望ではありませんでした。一般的にも、大人になるまでになにかしらの挫折を経験したり、人生の進路を変更する、そういう人の方が大多数だと思います。おふたりのターニングポイントについて教えてください。

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