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「ライオン・キング」公開30周年 アニメ映画の“王”その魅力を解説 【8月10日は世界ライオンの日】

映画.com / 2024年8月10日 14時0分

 また、カメラワークとズームで背景が伸縮しているように見せる「ドリーズーム」を駆使し、現場の混乱とシンバの恐怖を表現している。ドリーズームは、古くはアルフレッド・ヒッチコックの「めまい」、スティーブン・スピルバーグの「ジョーズ」などに用いられ、ピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング」にも使用された技法だ。こうした伝統と革新の融合が生んだ「ライオン・キング」は、動物を主人公にしたディズニー作品として、「バンビ」に匹敵する傑作の地位を獲得した。

●5.誰もが共感するテーマの普遍性

 物語やキャラクター、音楽に映像美と、魅力を挙げるとキリがないが、何より「ライオン・キング」が愛され続ける理由は、世代を超えて誰もが共感できる普遍性にある。先ほど紹介した家族、責任、贖罪はもちろんのこと、アイデンティティの喪失と奪還、環境や社会への適合、家族とコミュニティの重要性など、目まぐるしく移り変わる現代社会にこそ、避けては通れないテーマが随所にちりばめられている。

 またムファサとスカーの対比によって、リーダーシップに関する教訓を受け取ることもできる。知恵と慈愛を重んじ、ときには大義のために困難を選ぶムファサに対し、スカーの統治は利己的で欺瞞に満ちており、結果的には破滅へと導かれてしまう。己の弱さゆえに力を求めた結果でもあり、「周りの誰かが手を差し伸べれば、違う運命を歩んでいたのかも」と考えると、新たな気づきを得られるはず。もちろん、私たちひとりひとりが、過去・現在・未来を通して“生命の環”の一員であることを忘れてはいけないだろう。

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