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「わたしが寝る男は、わたしが選ぶ。生きかたも自分で決める」写真家・石川真生さんの熱い魂を映した「オキナワより愛を込めて」【二村ヒトシコラム】

映画.com / 2024年8月30日 19時0分

 真生さんはこの映画の中で日常を晒す。たるんだ体のおばぁになった自分の生活も撮られる。ドキュメンタリーのカメラに「そこは撮らないで」とは彼女は絶対に言わないのだろう。同じことをやってきたんだから自分にはそこを拒否する資格がないと言う。

▼そんな真生さんと向かい合う砂入博史監督もかっこいい

 それをまたちゃんと撮って映画本編に使う砂入博史監督もかっこいい。飄々としてて、真生さんと二人で文字どおり向かいあって撮影の合間にタコライス食べたりしてる。編集もポップにテクニカルで大変かっこいいんだが、そんなことよりも今年70歳の真生さんにがっつりカメラを向けて目をそらさないところがかっこいい。日常生活で真生さん、さすがにくたびれておられるんですよ。カメラを向けられても元気を取りつくろえない。でも、ひとたび自分がカメラを握ると真生さんはすぐに嘘なく、まったくエネルギーにあふれる。そのふしぎな生命力。

 映画はラストカットでワンカット、やっと沖縄の自然を映す。延々と映る。それはいつまでも終わらず、観ている者に有無を言わさず時間がゆっくり経っていく。お日さまはゆっくりと沈んで、まばゆくなくなり、あんなに暑かったのに海から涼しい風が吹いてくる。人間はなんだって人間に人間を殺すことを命令するのか。日本人の男は、なぜ黒人を好きになって黒人とセックスする日本人の女を差別するのか。ばかばかしくないか。

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