1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

緑魔子が語る増村保造監督「盲獣」秘話 巨大女体像上での撮影は…

映画.com / 2024年9月7日 23時55分

 緑にとって、「盲獣」は「大悪党」(68)に続き2作目の増村監督の作品。「とにかくインテリでシャイで、エネルギッシュでエゴイスティックで……。『ディテール、ディテール』という言葉が私的な会話でも耳に残っています。ちょっとした仕草や行為も拡大して考えるような繊細さ。私にとってものすごくミステリアスな人だった」と増村監督の人となりを明かす。

 そして「大悪党」からの増村監督との様々なエピソードを披露。「(増村)先生と一度一緒に映画を観たことがあって、それが『男はつらいよ』で。『僕はああいうの嫌い』っておっしゃってたんですけど、私は先生の肩にもたれて観て、その肩の重みが『なんとも言えず良かった』と言われた」「『盲獣』はあまりにも当たらなかったのでかわいそうでしたが、後で話題になったので、(映画化した時代が)早かったんだな」と当時の思い出を赤裸々に語り会場を沸かせた。

 聞き手の工藤は、増村監督が「からっ風野郎」(60)で、映画初主演でヤクザを演じた三島由紀夫を怒鳴ったという逸話を挙げ、緑に対してはどうだったのかを問う。「私が『大悪党』に出る前から怖い監督だと聞いていましたが、すごく優しくてびっくりしました。三島さんを怒鳴ったのは、『彼は映画俳優になりたかったから、映画俳優として扱っただけだよ』と言っていました。演技ができなきゃ怒鳴った方がいいし、おふたりとも東大の法学部を出てらっしゃって、ふたりにはわかっていることだから大丈夫、そんな感じでした」と語る。

 そのほか、大島渚監督、森崎東監督らとの思い出も語りながら、撮影に追われていた日々を振り返り、現在を「若い時の自分って、もう覚えていないし今と完全に違う。自分が絵を描く人だったら違うかもしれませんが、私は絵の具みたいな存在だから、持ってるものは通底してると思うけれど、自分の人生が何かわからない。山田洋次さんも森崎さんも増村さんも大島さん(との仕事)も全部違う。反射体みたいに、この人が見る私、あの人が見る私、そんな風にそれぞれと違うのだと思う。『あんた誰?』って聞かれたら、『わかりません』と言うしかないし、どれも自分」と、様々な人間像を豊かに体現してきた俳優人生をしみじみ述懐した。

 今後の「生誕100年 増村保造新発見!~決断する女たち~」上映では、原田美枝子、梶芽衣子のゲスト登壇が予定されている。「第46回ぴあフィルムフェスティバル2024」は、9月7日~21日に国立映画アーカイブで開催。※月曜休館

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください