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マルタン・プロボ監督&バンサン・マケーニュが語る、有名画家とその妻の知られざる物語「画家ボナール ピエールとマルト」

映画.com / 2024年9月19日 15時0分

マルタン・プロボ監督&バンサン・マケーニュが語る、有名画家とその妻の知られざる物語「画家ボナール ピエールとマルト」

(C)2023-Les Films du Kiosque-France 3 Cinema-Umedia-Volapuk

 仏名優バンサン・マケーニュ、セシル・ドゥ・フランスが、フランス人画家ピエール・ボナールとその妻マルトの知られざる半生を演じた伝記映画「画家ボナール ピエールとマルト」が公開となる。今年3月のフランス映画祭2024で来日したマルタン・プロボ監督とマケーニュに話を聞いた。

 1888年に結成された「ナビ派」を代表し、印象派とポスト印象派との間を結ぶ架け橋となったピエール・ボナールは、日本でも大規模な展覧会が開かれるなど、世界的に有名な画家である。しかし今作は、「セラフィーヌの庭」「ルージュの手紙」など過去作でも女性を撮り続けてきたプロボ監督作らしく、ピエールだけでなく、妻マルトにも光を当てた映画だと言える。

 「ピエールだけではなくマルトに興味を持ち始め、リサーチを進めるうちに、マルトだけを描くことは不可能で、ピエールあってのマルト、男性あっての女性、そんなことを実感したんです。僕の人生でも、父親はしばしば不在でしたが――男性の存在は大きく、父の僕の人生に対する影響力は大きかったのです。そういう意味でも、男女の対立構造ではなく、人生を補完し合ったカップルとして焦点を当てることにしました。20年前の僕はそういった境地に立てなかったと思いますが、今であればそういう物語を描けると思ったのです」とプロボ監督。

 ピエール役のバンサンを先にキャスティング、マルト役にはほかの女優が決まっていたが、降板したという。「今となっては幸いでした、それからセシルに会い、その時に、マルト役には彼女しかいないと思いました。外見は似ていませんが、この映画が彼女を欲し、彼女がマルトになったのだと思います。それはバンサンも同じ。彼もピエールとは全く異なるタイプですが、撮影中はピエールになりきっていました。それは映画の本質です。自分とは遠い人間にアプローチし、嘘を積み重ねる芸術で、そこから真実を生み出すのです」と、フランスを代表する名優ふたりが、実在の人物の半生をドラマチックに体現した。

 今作のオファーを受けるまで、ピエール・ボナールについて多くの関心を持っていなかったとバンサン・マケーニュは告白する。実在の人物を演じるにあたり、どのような役作りをしたのだろうか。

 「どんな役であるかや、そのストーリーよりも、誰が監督かというのが、僕にとっては1番大事です。今回、脚本に感動し、そして、完成した映画を見終わった時も、そのシナリオを読んだ時の感動がすごく反映されていました」

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