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「踊る大捜査線 THE MOVIE」今夜放送! あらすじ&キャストまとめ、誕生秘話を紐解く

映画.com / 2024年9月28日 21時0分

【「踊る」誕生秘話】

●当初の構想はドンパチもの!?

 木村拓哉と山口智子が共演した「ロングバケーション」をプロデュースした亀山千広氏。平均視聴率29.6%という空前の大ヒットを飾りますが、年間3クールというハードな日々を過ごしてきたため、次回の担当作品を1997年1月クール、織田裕二主演ということだけを決め、休養に入ります。

 驚きなのは、「当初はアクションを駆使したドンパチものでいくつもりだった」といいます。それでも、「踊る」の骨格をなす亀山氏、脚本の君塚良一、監督の本広克行の3人は、それが運命であるかのごとく距離を縮めていきます。

 「織田君と話をしたら、刑事ものはOKだと。監督を誰にしようかとなったときに本広克行の名前が浮上したんです。織田君が別のドラマでサードディレクターをしていた本広と非常にシンパシーを感じていたらしいんですよね」。

 そして、脚本は亀山氏が以前から興味をもっていた君塚に白羽の矢が立ちます。理由は明快で、「刑事ものって5~6人のメインキャラクターが登場するものじゃないですか。だから、キャラクターをしっかりと書き分けられる方じゃなければならないと思っていたんです」と説明してくれました。

●刑事ものだから事件は起こる。いわば記号

 亀山氏は当時、急に勢いが出てきたアメリカのテレビドラマに注目していたそうです。なかでも、「L.A.ロー 七人の弁護士」や「NYPDブルー」といったモジュラー型の作品を好んでいたといいます。

 「登場人物が何人もいて、1話完結でありながら片付かない。全員の人生を抱えながらずっと続いていく。新しいなあと思って、これを参考にしようということになったんです」。

 それでも、3人の思惑が最初から一致していたわけではなかったようです。

 「君塚さん、本広と会って、お互いに好きな刑事ものを挙げましょうということになったんだけど、全員ばらばら。君塚さんは『太陽にほえろ』、本広は今では信じられないけど『砂の器』とか言ったりして(笑)。で、僕は『夜の大捜査線』。絶対に合わないなと思いながらも、犯人が主役のドラマは嫌だということは見解が一致したんです。

 刑事ものって事件が起こらなければ始まらないじゃないですか。そうじゃなくて、刑事ものなんだから事件は起こる。いわば記号だと。刑事に目を向ければ、事件に振り回されてデートができない、子どもとの約束が守れないという事もままあるでしょう。そっち側をドラマに出来ないだろうかと。それで取材してみたら、とにかく面白かったので、『踊る大捜査線』では事件はとにかく起こるもの。何で事件が起こったか、その背景は……とかはなし。犯人は捕まえて、そこから先は裁判所が決めること。基本線はこれでいこうということになったんです」

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