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「踊る大捜査線 THE MOVIE」今夜放送! あらすじ&キャストまとめ、誕生秘話を紐解く

映画.com / 2024年9月28日 21時0分

●ニフティのドラマフォーラムがパンク寸前

 制作陣が試行錯誤を繰り返して作り上げた「踊る大捜査線」ですが、映画化への道のりは決して平坦なものではありませんでした。最終回の視聴率は23.1%を記録したものの、20%を超えたのはこの1回限り。そういった影響もあり、映画はおろかビデオの発売すら予定になかったそうです。

 ところが、追い風は意外なところから吹いてきました。

 「当時、今ほど普及していなかったパソコンに飛びついていた人たちが、まだヤフーがなかったころだから、ニフティのドラマフォーラムでおおいに話題にしてくれていた。当時、『踊る』と『新世紀エヴァンゲリヲン』の放送時はサーバーがパンクするって言われていたんですよ。よく行く飲み屋の兄ちゃんが流行りものが好きでね、『踊る、こんなことになっていますよ』とプリントアウトしたものを見せてくれたんです」

●レンタルビデオ店9000店舗に対し、市場に出回ったのは3000セット

 その熱烈な書き込みは、亀山氏の想像をはるかに上回るものでした。

 「まあ、コアファンなわけですよ。『エヴァ』と同じ現象だと思いましたね。『エヴァ』だってあれだけヒットしたじゃないですか。これはひょっとしたら想像以上のものになるんじゃないですか、と言い続けていたら、とりあえずビデオを出してみようということになったんですよ」。

 しかし、レンタルビデオ店が当時9000店舗前後あったのにもかかわらず、市場に出回ったのはわずか3000セット……。

 「行き渡っていないわけですよ。となると、例のドラマフォーラムが盛り上がるわけです。『どこの店にあった』だとか『僕がダビングしてあげる』だとか……。こりゃ著作権違反しているじゃないか! だったら行き渡らせるようにということで増産されたんです」

●社内からも「これを映画にしなければ何を映画にするんだ」

 そして、さらなる追い風は社内から吹いてきました。

 「別のセクションに『踊る』を好きなやつがいて、これを映画にしなければ何を映画にするんだ、という熱い企画をあげていたんです。上から『映画化する気はあるか?』と聞かれたんで、やってみたいですと。ただ、映画だけだとリスキーなんで、その前にスペシャルを2本作らせてくださいと頼みました」。

 こういった経緯を経て誕生するのが、「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」(97年12月放送/視聴率25.4%)と「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル」(98年10月放送/視聴率25.9%)。「僕は2本と映画がセットだと思っていたので、死ぬ気で作っていましたね。テレビ的でありながら、映画の要素も入れられるなあと思ったので、これは映画を作ってもやっていけるんじゃないかと感じました」。亀山氏の当時の上司は、スペシャル2本の結果が良ければ映画化に向けて動き出すと伝えたつもりだったそうですがが、亀山氏が解釈の違いに気がつくのは、ずっと後の話です。

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