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【インタビュー】伊藤英明&新木優子が体現した、夫が妻を“作り変え続ける”歪んだ関係 否応なく訪れる“変化”をどう受け止める?

映画.com / 2024年9月30日 19時0分

伊藤:本読みもたくさんやったけど、すごく良い時間だったよね。

新木:私自身、こんなにも深くディスカッションを重ねられる経験は初めてでした。大切なその時間を経て、ようやくこの物語の世界観を深く理解して作品に挑むことができたし、宇宙空間を舞台にしたSFではあるんですが、人間味のあふれた、すごく地に足のついた登場人物たちによる物語で、インする前と後でかなり印象が変わった作品だったなと思います。

――石川監督を交えてのディスカッションは、具体的にはどのようなことを話し合われたのでしょうか?

伊藤:ナオキが何度もマユミを作り変えるという描写が出てきますが、全体の時間軸をまず監督が僕らに共有してくださいました。監督がやりたいもの、撮りたい画というものがあって、それを役者は演技で表現し、スタッフさんが映像に反映させていくということで、そこで意識のすり合わせ、共有ができていないと成り立たなかったので、その時間をしっかりととりました。

新木:マユミに関しては、バージョンによって「この情報はもう知っているよね」「この情報は欠落しているよね」というのがありますし、その時、ナオキは何を考えているのか? もしこういう感情であれば、こんな行動はとらないんじゃないか? といったことを細かく話し合っていって、台本もどんどんブラッシュアップされていってすごく面白かったです。

伊藤:監督が「リアルに」ということを本当に大事にされる方で、それができていなければ、何度でも撮り直しましたし、ちょっとした感情の流れや表現を重視されるんですよね。

――細かいことですが、例えばアンドロイドのマユミは肉体的には年をとらないんですよね?

伊藤:あくまでも自分を人間と思っているので、記憶の中では年をとるんだけど、肉体的な衰えはないですね。

新木:逆にナオキは徐々に年齢を重ねていくので、変化するんですよね。

――映画の中では、そういった細かいことが説明されるわけではないんですが、監督、キャスト、スタッフ陣の間で、そうした設定も含めてディティールまで共有されているわけですね。

伊藤:あるシーンで、マユミをシャットダウンして閉じ込めるというやりとりがあって、そこでマユミがものすごい力で扉をこじ開けるんです。普通に考えたら、ナオキはそれに一瞬驚く芝居があってもいいんじゃないかなと思ったんですが、ナオキはマユミがアンドロイドであり、それだけのパワーを持っていることを知っているので、そこで説明的な芝居はいらないんですね。新木さんのお芝居を感じて演じていないんじゃないかって思われるかもしれないですが、そうではなく(苦笑)。そういう細かい微妙なラインのお芝居は、すごく難しかったですね。

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