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近未来の描写が半端ない「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で覚えておきたいこと【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2024年10月4日 7時0分

 この作品で最も注目したいのは、監督と脚本を担当したアレックス・ガーランドです。

 アレックス・ガーランド監督の映画監督デビュー作は、A24がいち早く配給権を購入した「エクス・マキナ」(2015年製作)。つまり、アレックス・ガーランド監督の才能に惚れ込んだA24が大きな勝負に出たわけです。

 この「エクス・マキナ」は、アカデミー賞で話題になったにもかかわらず日本では小さな規模で公開されただけなので、意外と知らない人が多いのかもしれません。

 そこで、「エクス・マキナ」から簡単に解説します。

 「エクス・マキナ」は、ほんの少し先の近未来が舞台で、人間(男性)とAI(女性)とのやり取りを描いています。

 この先、AIの進化によって、人間とAIとの関係性がどのように変化し得るのかを「男女のやり取り」で表現していますが、何ともリアルで驚きました。

 この作品が、アカデミー賞で「脚本賞」「視覚効果賞」にノミネートされたのは当然とも言えます。

 受賞を果たしたのは「視覚効果賞」。これは「ゴジラ-1.0」が受賞し話題となった部門です。

 日本の報道では、この「視覚効果賞」は、「アバター」などの超大作映画が受賞する賞となっていましたが、実は、「ゴジラ-1.0」に先駆けて低予算の「エクス・マキナ」が受賞していたのです!

 「エクス・マキナ」で、アレックス・ガーランド監督作品は、脚本と映像のクオリティーが非常に高いことが証明されました。予算を大幅に増やして、この才能を遺憾なく発揮したのが「シビル・ウォー アメリカ最後の日」なのです。

 「シビル・ウォー アメリカ最後の日」は、ほんの少し先の未来のアメリカが舞台で、分断が進み、現在の50州のうち、19の州が離脱するという状況が生まれています。

 そもそもアメリカ合衆国は、50の州が集まっていますが、それぞれの州が「国」のような存在なのです。

 本作では、「テキサス州」と「カリフォルニア州」からなる「西部勢力」と、「連邦政府」による内戦が勃発したという状況を描いています。

 劣勢となっているのは「連邦政府」。大統領がメディアのインタビューを受けていない状況が14カ月も続くことになっています。

 そこで、キルステン・ダンスト(「スパイダーマン」シリーズなど)扮する戦場カメラマンらジャーナリストが、戦場と化しているアメリカで首都ワシントンのホワイトハウスに向かい、大統領のインタビューを試みようとします。

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