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身体が“動物化”していく奇病が発生する近未来を描いた「動物界」 仏新鋭トマ・カイエ監督インタビュー

映画.com / 2024年10月11日 16時0分

 映画では原因不明の病の発症とそれによっておこる分断が描かれているが、脚本を執筆し始めたのは新型コロナウイルスが猛威を振るう前の2019年。監督は「私たちを取り巻いた出来事は、人間がとても素早く順応できるという概念を証明するものになりました。ロックダウンのほんの数週間後には、イノシシの群れが誰もいない街の中心地で目撃されることも、繰り返し夜間外出禁止を経験することも、あの時は正常のように思えましたから」とコロナ禍を振り返る。その経験からヒントを得て、本編でも説明を入れることなく“人々が動物化していく奇病が蔓延した世界”という異常な事態にも順応している人々の自然な営みを描いている。

 作品中に登場する動物のリアルな表現にも注目だ。まずはあらゆる種の分類に取り組み、VFXを用いて人間の動きと組み合わせた。

 「哺乳類と同数くらいの鳥類や爬虫類に節足動物まで、とにかく全部やってみました。身体そのものや体の動きに特徴のある人たちがいるのでそこから構築したのです。例えばスーパーにいるタコ女は、偶然ダンサーの動画を見て、それは爪を見せない動きを何年間も訓練した人で、しなやかで滑らかな動きはまるで軟体動物のようでした。実際に会って、一緒に作業しながら衣装を作って、メイクを施してタコ女を作りました。初めのうちは人工関節を使って動きを作って、それからデジタルの触手にしました。彼女は腕を使って物を投げたり飛ばしたりしますが、実は冷蔵庫の後ろで、ハンドボールのチームが物を投げています。そういう幅広い手法が面白い。映画創成期のジョルジュ・メリエス並みに、手作りのものから高度なテクノロジーまで総動員したのです。常に混合させようと、毎回試してた。わくわくしたけど、気が遠くなるような作業で、できるだけ有機的な映像を追求しました」とこだわりを語った。

 「動物界」は、11月8日から東京の新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。

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