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北川景子主演、山崎豊子著「花のれん」をSPドラマ化 日本のショービジネスに人生を捧げた女性興行師の生涯を描く

映画.com / 2024年10月23日 5時0分

多加は大阪・船場の商人なので、まずは船場ならではの言葉を忠実に表現したいという思いがあります。今回、船場の言葉を初めてきちんと勉強したのですが、私たちが知っている大阪弁でもなく、京都の言葉とも違って、初めて聞くイントネーションもありました。船場の言葉は多加という女性を演じる上で大切な要素ですので、そこはできるだけ丁寧にやりたいと思って気をつけています。あとは、この作品は京都で撮影する正当派時代劇でもありますので、伝統美、形式美をしっかり表現するため、お芝居とは別に所作や佇まいにも気をつけています。

――本作は東映京都撮影所で撮影が行われていますが、京都で楽しみにされていることは?

とにかく撮影所での撮影が楽しいですね。私は時代劇が大好きなのですが、セットも小道具も、この京都の撮影所で撮影できるのが本当にうれしくて、スタッフの皆さんと久しぶりにお会いするのも楽しみでした。あとは時間ができたら、大好きなおうどんのお店に行きたいぐらいですね(笑)。

――視聴者へのメッセージ

私が演じる多加は、“日本のエンターテインメントの母”とよばれる吉本せいさんがモデルだといわれています。女手ひとつで寄席を大きくしていった商売人としての顔と、妻としての顔、また母親としての顔、女性としての生きざま、いい塩梅で描かれたヒューマンドラマです。涙あり笑いありのあっという間の2時間になると思います。ぜひたくさんの方に見ていただきたいですね。

【脚本:吉田紀子】

――山崎豊子さんの名作「花のれん」のドラマ脚本を執筆することが決まったときのお気持ちを教えてください。執筆の際、意識したこともお聞かせください

まさか、私に山崎豊子さん原作のドラマ依頼が来ると思わなかったので、正直ちょっと驚きました。山崎先生独特の、けれん味溢れる作品は、視聴者としては面白く拝見していますが、いざ自分が脚色するとなると、かなりの力技(ちからわざ)が必要だなと、覚悟をして臨みました。

原作は、主人公・多加の一代記。結婚前(明治時代)から、亡くなるまで(第二次世界大戦後まで)の長いスパンの話です。それを、2時間にどうまとめていくか。結婚、出産、破産、夫と二人三脚で始めた寄席、その夫との死別、その後、女ひとりで寄席を切り盛りし、成功し財を成し、だが、その財産を、戦禍によりすべて失ってしまう。まるで、「風と共に去りぬ」のような話だなと……。

背景にある“笑いの歴史”も押さえておかなければならなかったので、落語や色物、漫才についても史実を調べた上で、執筆にかかりました。また、多加という仕事をもつ女性の生き様、キャラクターをどう表していくか。多加の中にある、今の世の中で薄れつつある“情”の部分を強調したいと思いました。“大阪女の情”を。

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