カトリーヌ・ドヌーブが群馬の居酒屋で息を引き取り、お盆を体験する亡霊役 日本文化を愛するエリック・クー監督が「死後の世界」描く
映画.com / 2024年10月30日 14時0分
第37回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門「Spirit World(原題)」が10月29日に上映され、エリック・クー監督と脚本を担当したクー監督の息子であるエドワード・クーが上映後のQ&Aに応じた。
本作はカトリーヌ・ドヌーブを主演に迎えた日・仏・シンガポールの国際共同合作。共演に竹野内豊、堺正章、風吹ジュンらが名を連ね、今年の釜山国際映画祭のクロージング作品に選ばれた。フランス人歌手クレアは、日本でのツアー中、群馬の居酒屋で突然の死を遂げる。クレアの魂は日本で生き続け、そこで彼女は、生者とともに旅をする彷徨える別の魂(亡霊)に出会う。死と生の隔たりを越え、魂が残った死後の世界で、人間性を発見する旅を描いたスピリチュアルな物語だ。
クー監督は「昨年日本で撮影しました。精神世界の素晴らしい旅路の物語です」と作品のテーマを紹介する。死後の世界の魂として存在する役柄を演じたドヌーブと堺のセリフは、それぞれの母語であるフランス語、日本語で展開されることについて、「死後の世界のキャラクターには言葉のバリアはないという発想です。通訳がなくても会話ができて、心が通じるのです。観客は字幕を読んでくれれば理解できると考えました」と脚本を担当したエドワードが解説する。
物語の主な舞台が、東京や大阪といった日本の大都市ではなく、なぜ群馬だったのか? という質問が寄せられると、クー監督は、斎藤工と松田聖子の共演で高崎で撮影した「家族のレシピ」(2017)と、昨年3月に高崎映画祭に参加した思い出を挙げ、「その際に訪れた高崎の古い映画館(高崎電気館)で映画を撮りたいと思ったのです。今回、その映画館でドヌーブが竹野内さんの肩を叩くシーンがあり、竹野内さんは映画のレジェンドとの共演に感激していたようでした」と振り返る。
そして、堺が演じる、元ミュージシャンのユウゾウ役については「なかなか決まらなったのですが、堺さんは本読みで化学反応が起きました。私はロマンチックなので、死後の世界でも恋愛はできると考えたのです」と明かす。
日本で息を引き取り、魂となったクレアは、ユウゾウのほか、甲冑姿の武士や、自殺を試みた青年などに出会う。エドワードは「脚本段階ではもっといろんな幽霊に会う設定でした。死後の世界にはさまよっているものがありますが、(生きる者と死んだ者の)中間地点のことは明らかにせず、侍のように成仏できない存在も描きました。ユウゾウは彼女をそういった世界を案内するのです」とファンタジックな設定について述べ、「仏教の四十九日の魂がさまよう時間に希望を与える存在をクレアが象徴しています」とクー監督が補足した。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
第37回東京国際映画祭が開幕!仲野太賀&綾瀬はるか&亀梨和也らレカペに国内外210人を超える豪華ゲストが来場
cinemacafe.net / 2024年10月28日 17時35分
-
「童心に帰って、子どもに戻ってこの映画を見ていただきたい」『リトル・ワンダーズ』ウェストン・ラズーリ監督【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年10月24日 8時0分
-
渡辺謙、吉沢亮&横浜流星と共闘! 「国宝」に高畑充希、寺島しのぶら12人の豪華キャスト結集
映画.com / 2024年10月8日 5時0分
-
渡辺謙・高畑充希・寺島しのぶら参戦! 映画『国宝』豪華キャスト12名一挙解禁
クランクイン! / 2024年10月8日 5時0分
-
渡辺謙・高畑充希・森七菜・見上愛ら「国宝」追加キャスト12人発表
モデルプレス / 2024年10月8日 5時0分
ランキング
-
1とんねるず×バナナマン「共演NG説」は本当か? 女性週刊誌が再び報じ業界ザワザワ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月1日 9時26分
-
2元「相棒」と明暗クッキリ…反町隆史「オクラ」の不発は“凸凹コンビではない”にあり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月1日 9時26分
-
3横澤夏子 教師父の教え子は有名俳優 番組出演時に「恩師でうちの父が出た」
スポニチアネックス / 2024年11月1日 12時32分
-
4俳優・富田健太郎が事務所退所を発表 3月公開の映画で小泉今日子らと共演
スポニチアネックス / 2024年11月1日 10時12分
-
5ぴいぷる 女優・黒木華 演技のこころも〝アイミタガイ〟何だか温かくなる不思議な空気、親の笑顔が原点 歌声披露も「次はもうやりませんよ(笑)」
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月1日 6時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください