全世界を虜にした「エマニエル夫人」現代版のテーマは? 新作「エマニュエル」監督が来日、湯山玲子と“女性の欲望”トーク
映画.com / 2024年11月2日 12時24分
第37回東京国際映画祭のガラ・セレクションとして「エマニュエル」が11月1日、丸の内ピカデリーで上映され、来日したオドレイ・ディワン監督が著述家、プロデューサー、おしゃべりカルチャーモンスターとして活躍する湯山玲子と対談した。
1974年に映画化作品が全世界を熱狂で包んだ官能文学の傑作「エマニエル夫人」を、「あのこと」でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したディワン監督が、新たな解釈で、舞台を現代に置き換え映画化。主人公は、オーナーからの査察依頼を受け、香港の高級ホテルに滞在しながらその裏側を調べ始めるキャリアウーマンのエマニュエル。ホテル関係者や妖しげな宿泊客たちとの交流が、彼女を「禁断の快感」へと誘う――という物語。
“ませた東京の不良少女のつとめ”として、中学生時代に元祖「エマニエル夫人」(1974)をリアルタイムで観に行っていたと明かす湯山氏。「昔の『エマニエル夫人』は、女性の性、欲望の解放、官能性を描いていましたが、今、全世界的にネットやSNSで性的ファンタジーがオープンなってしまった時代にそれをどうやって語るのか――今作ではそこに興味があった。ディワン監督はそれに関して非常に周到な映画を作られて、驚きました。本当に好きな作品です」と伝える。
ディワン監督は、世界的ブームを巻き起こしたエロティック作品を現代の物語として描くことに、「過去のエマニエルとは、考え方をガラッと変えよう、逆にしよう、もっとフェミニスト的な物語にしようと思いました。しかし、考えれば考えるほど、もっと何か強いものがそこにあると感じたのです。今、いろんなものが世の中に氾濫しており、男も女も、お互いに触れたくない、そんな傾向があると思います。どんどん個人の殻にこもっていくように思えたんです。ですから、もっと相手と繋がりを持とう、そんな気持ちでこの映画を作りました」と説明する。
湯山氏は当初、本作「エマニュエル」が、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のような、女性が考えるセックスファンタジーの集大成のような作品、もしくは村上龍の「イビサ」や「不思議の国のアリス」のように、「女性が様々な場所でいろんな人と体験し、解放されていく話だと思っていた」そうだが、それらとは全く異なる、登場人物たちの設定や物語のクライマックスに驚いたと明かす。
ディワン監督は「私が最初に言いたいのは、セックスをするにあたって、女性は愛という言葉にこだわらなくてもいい。ということ。(物語のカギとなる男性)ケイは、主人公が作り出したファンタジーでも、ゴーストでも良いかもしれません。この映画を通して、皆さんの会話が始まり、それぞれの解釈をしていただきたい」と述べる。
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