浜野佐知、西川美和らが“女性映画監督の未来”を語り合う――横&縦のつながり、“作り続けること”の大切さ【第37回東京国際映画祭】
映画.com / 2024年11月5日 12時0分
岨手監督「そこで初めて気づいたのは、監督だけをやっていると“現場”のことだけしか知らなかったということ。映画は循環しているんですよね。観客がいて、そこに向けた企画が立ち上がって、製作、仕上げ、宣伝、配給を経て、劇場があり、そこにお客さんが来る。その間にあるアーカイブも含めて、ものすごく色々な部署によって映画は支えられているということがわかりました。若い監督たちにも、そういう“知る機会”にぜひ立ち合ってほしいと思っています」
続けて、話題はそれぞれのロールモデルや後進育成に関する“縦のつながり”について。浜野監督が「映画監督は特殊な仕事だと思うんです。“ひとりで立つべき”孤独な職業。だから、私にはロールモデルはいません。後進の育成については、私たちの世代に若い監督を育てる力はないですよ。てめぇで頑張ってついてこいと(笑)。それに若い監督たちも誰かに育ててもらおうなんて、多分思っていないはず。自分を育てられるのは自分だけ」と語ると、金子監督は“監督は孤独”に紐づけて「(日本の)監督は、映画の前面に出てきてしまう側面があると思うんです。メディアとしての取り上げられ方も、監督だけが押し上げられるような感じも減っていけばいいのかなと感じています。たとえばプロデューサーや撮影監督のインタビューも増えていけばいいなと思っています」と意見を述べた。
「映画製作と子育て」という話題では、ふくだ監督が自らの経験を踏まえて、意見を述べた。
ふくだ家督「私は“子育て”だけをし続けることはできない人間だと自己分析しているんです。子育ては超しんどくて、これをやり続けている方々には全員国民栄誉賞を与えたいほど。映画を作っている時間がないと自分を保てなくなる瞬間がたくさんあります。(映画製作は)私が私として生きていくためでもあり、子どもが良く生きていくためのものでもある。それらをどうにか“つなげたい”。それができなかった時代があることはわかっていて、だからこそ女性監督はこんなにも少ないんだとも思います。でも、ここで私が子育てに専念してしまうと、また道が絶えていく。“やり続ける”ことでしか成せないものあるんだと思います」
「映画をつくる女性たち」を手掛けた熊谷監督は「自分が作った作品を見て、改めて思ったことは“作り続ける”ということがどれほど大変なことなのか、それをしみじみ感じています」と胸中を吐露。
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