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【世界の映画館めぐり】モロッコ・砂漠の街のハリウッド、アトラス・スタジオを訪問 近くには「グラディエーター」絶景ロケ地も

映画.com / 2024年11月26日 16時0分

■標高4000メートル級のアトラス山脈を越える

 今回の訪問のために筆者は、大都市マラケシュに前泊しました。アトラス・スタジオのあるワルザザートに行くには、標高4000メートル級のモロッコ最高峰を有するアトラス山脈という、大山脈を越えなければなりません。学生時代のバックパッカー旅で、2度越えているのですが、最初の2000年代前半は、若さと勢いでぼろぼろの乗り合いバスに乗車。急カーブもものともしない荒い運転と乗客がひしめき合う狭い車内で、猛烈な車酔いを経験した苦い思い出があります。その体験に懲り、2度目は語学が堪能な友人のおかげでマラケシュ市内の旅行代理店で観光タクシーを手配。こちらはバスより遥かに快適で、景観の良い場所で停めてもらって写真撮影するなど、良い思い出になりました。

 さて、人生3度目のアトラス越え、しかも女ひとりでどうするか……と悩みましたが、20代の頃にはなかったスマホで検索すると、現在はバスがかなりきれいになって、ネット予約までできるようになっているとの情報を入手。スケジュールの都合でマラケシュの旅行代理店を巡る時間もなかったので、日本から持参した酔い止めを飲んでバス移動に挑みます。ハードな旅を覚悟していましたが、懸念していた空調設備も席の広さも問題なし、USB充電もできるという、日本の高速バスと遜色ないサービスで、乗務員の方も安全運転を心がけて下さり、車窓の景色を楽しみながら快適な移動ができました。

■アトラス・スタジオに到着!

 バスを降り、ワルザザート市内からタクシーでスタジオに向かいました。玄関口には巨大なエジプトのファラオやスフィンクス像が鎮座。入り口を進むと、ワーナー、ディズニーをはじめとした大手映画会社から、NETFLIXなど最近の配信プラットフォームまで、現在スタジオと取引のある世界の映像関連会社の社名の手描きプレートがずらり。その後ろに、広大な土地に建てられたさまざまなセットや大道具が見え、心が躍ります。

 入場料は80モロッコディルハム(約1230円)。スタジオガイドが同行してのツアーが基本のようで、お客が数人揃うまでしばし待ちます。待合所を兼ねる受付では、ドリンクやグッズなどの売店がありました。

 この日のガイドさんはモロッコ人の若い男性でした。ツアー参加者の国籍を確認すると、彼の母国語はアラビア語でしょうが、ツアー中はずっとフランス語と英語で説明してくださいました。日本人の私、香港から来たお客にはそれぞれ日本語、中国語でのあいさつも。モロッコは、いたるところでマルチリンガルな方々が活躍していて、本当に驚かされます。

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