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【世界の映画館めぐり】モロッコ・砂漠の街のハリウッド、アトラス・スタジオを訪問 近くには「グラディエーター」絶景ロケ地も

映画.com / 2024年11月26日 16時0分

 実際にハリウッド映画で使われた数々のセットは圧巻の迫力で、テーマパークを訪れたような楽しさです。スタジオ内にはレンガ造りの建物、藁葺き屋根の風景などを復元したセットがあり、エジプトファラオの時代や古代ローマなど紀元前の歴史物語、聖書にまつわる映画の多くも、ここモロッコで撮影されているのです。

 ハリウッド大作が多いようですが、筆者はイタリアの鬼才、パゾリーニの「アポロンの地獄」を思い出しましたし、フランスのコメディ映画「ミッション・クレオパトラ」で「この浴槽でモニカ・ベルッチが沐浴しましたので、入ってみたい方はどうぞ……」などジョークを交えたガイドさんの軽妙なトークも楽しいものでした。

 なにより驚いたのは、マーティン・スコセッシ監督が、ダライ・ラマ14世の半生にスポットを当てた「クンドゥン」(1997)が撮られていたこと。政治問題もあり、現地での撮影は難しかったことから、ここモロッコが選ばれたそうです。そのほかのセットがどんな映画やドラマで使われたかを、すべてここでご紹介するのは難しいので、写真やスタジオの公式動画でご確認ください。

 セット内に配置された道具類やその構造も興味深く、落石シーンや戦闘シーンで使われるような巨岩はもちろん本物ではなく、ウレタンのようなものをコーティングして作られたフェイクですし、様々な時代の映像に対応できるよう、ギリシア時代、ローマ時代の建築用様式を両方備えた室内があったり、背景はCGで足せるので、リアルな部分はある程度あればよいこと、建物はカメラの動線を考えて建設されていることなどを目にすると、映画は撮影や編集で虚構の世界を作り上げる魔法のようなものだなあと、改めて感じました。

 正味1時間弱でしょうか、大満足のスタジオツアーでした。モロッコの見どころはたくさんありますが、映画ファンには是非訪れてほしいスポットです。日程に余裕がある方は、ここワルザザートから出発する1泊2日のサハラ砂漠ツアーに参加するのもおススメです。

■アトラス・スタジオを初めて訪問する方へのアドバイス

 こぼれ話になりますが、アトラス・スタジオおよびタクシー、街のコンビニのような小さな商店でクレジットカードはほとんど使えませんし、現地通貨が引き出せるATMも多くはありません。筆者はスタジオに向かうタクシー運転手に、見学中待っているので往復でどうか? と提案されたものの、(当然ですが待ち時間込みで)片道の3倍の料金だったため手持ちの現金が少なく、断ってしまったのです。

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