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屋比久知奈、モアナに寄り添い共に生きた7年間【「モアナと伝説の海2」インタビュー】

映画.com / 2024年12月3日 11時0分

 ましてや、前作から7年が経過しているが、作品世界で描かれるのは3年後。この4年間の差異を声で表現することは、想像以上に難儀したはずだ。

 屋比久「当初は、色々とやりたくなったんです。声や歌の表現も含め、7年間やってきたからこそ『こういう風に歌ってみたい』『こんな風にセリフを言えるようになったから…』という思いがあったのですが、それがモアナの持つピュアさ、真っ直ぐな部分を邪魔してしまうんじゃないかと感じたんです。

 前作で16歳だったモアナは、今作では19歳の設定。私が何かをしようとすることでモアナのキャラクターが変わってしまうなと思ったので、特別なことはやらないようにしよう…と思いながら吹き替えに臨んでいました。歌唱についても声の質感を少し低く出してみようと取り組んでいたのですが、どうもしっくりこない。そこで、何もわからずピュアに向き合えていた当時の私を思い出した方がいいと考えました。

 余計なものはそぎ落として、シンプルな形でセリフを口にすることで4年の差異はなくなるし、逆にどんなに意識しても変わらない、年齢を重ねたからこそという部分は絶対に出てきてしまうから、そこを生かせたらいいなと感じたんです。前作を見返してみて、もうこれはわたしにはできないなと思ったし、それでいいんだとも思いました。姿勢は変えず、7年間やってきたことで自然と出て来るであろうものに自然と向き合うことを意識しました」

■そこにただ存在するだけでいいんだと背中を押してくれた

 前作でも描かれているが、ディズニー作品の新たなプリンセス像として独立心旺盛な姿を観客に届けるなかで、弱さを露見することがなかったわけではない。今作では、全ての海をつなぐ1000 年にひとりの“タウタイ(導く者)”となったモアナが、人間を憎み世界を引き裂いた“嵐の神の伝説”の呪いを解くため、変幻自在な半神半人の英雄・マウイや新たな仲間とともに、世界を再びひとつにする航海に繰り出す。旅を共にする、守るべき仲間が増えたことでモアナが迷い、葛藤を抱くようになるのは人間的な成長の証ともいえる。屋比久にとっても、今作に臨むにあたって葛藤はあったのだろうか。

 屋比久「モアナと通ずるものがあるなと思ったのが、海に出て過去とつながったことで、島や村を導く使命感を否応なしに背負ってきたわけです。私もこれまでやってきたものがあるからこそ、頑なになるし怖さも抱くようになった。再びモアナとして声優をやるにあたって、皆さんが愛してくれているモアナを同じように演じられるのか不安はありました。もちろん様々な経験を経て歌も、お芝居も成長できたという自負はありますが、モアナに反映して受け入れてもらえるのか、やり切れるのか、届いているのかという不安がずっとあったんです。今も正直あるし、公開されてもずっと持ち続けると思います。

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