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ニューヨーク公演を大成功させた「進撃の巨人」-the Musical-のエレン役、岡宮来夢が次に見る夢は? 【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年12月18日 10時0分

 そしてブロードウェイの近くに位置する劇場(New York City Center)で、実際に公演を行うことに「最初はもう本当にドキドキしたし緊張した」というのも当たり前。

「上演が決まってから、ニューヨークへ下見に行ったのが僕にとって初めての海外旅行だったんです。そこで『Some Like It Hot(原作映画の邦題は『お熱いのがお好き』)』などのミュージカルを観劇して、圧倒されました。言葉はわからない部分もあったんですが、わかる。舞台から放たれているエネルギーはすごいし、客席からのエネルギーもすごくて、『うわぁ、これが本場のエンタテインメントか!』とすごく実感して」

「『ここで僕たちは勝負するのか』と思うと、怖い気持ちもありました。しかも、その真ん中に立つわけですから。観客に『日本のミュージカルってこの程度か、主演がこんなもんか』と思われたらどうしよう。それとも『あの子いいね』『日本のものづくりは、そのクオリティはすごいね』と思ってもらえるのか? 本当に不安でした」

 その不安を払いのけ「見てくれ、これが僕たちのジャパニーズ・クオリティだ!」と誇らしい気持ちになれたのは、どのタイミングだったのか?

「ニューヨークへ行ってからも、何もかもがハイクオリティな現場だったので、少しずつ自信はもてていたんです。現地のスタッフさんとのコミュニケーションもうまくいって、僕らの安全をつねに考えてくださっていたので、本当に安心して場当たりを行うことができました。たとえば立体機動装置のワイヤーアクションは、チェックがとてもシビアな中、かなり難易度の高いことをやっているのにまったく危険を感じない。稽古もスムーズで不安なく飛ぶことができて、『日本の技術ってすごいな』と感じることが何度もありました。それでも責任が重大ですし、自分の体調管理を含めて『大丈夫なのか』という不安はなかなかぬぐえなかった」

「不安が消えたのは、初日の幕が開いた瞬間です。客席からすごい歓声が響き渡ったんです。それだけで現場が『うわー』と盛り上がって、『やってやるぞ』という目に変わりましたね。海外でも進撃ファンの熱気はすごいですし、その熱気を感じて僕も『見てくれ!』という気持ちになりました。楽しんでいただけているのが伝わって、本当に、類を見ない経験でした」

 それにしても、この原作は日本の漫画史上においても、並び立つ例がないほど深遠で壮大な作品。人間を捕食する巨人との戦いを軸にしたダーク・ファンタジーという衝撃で始まる大胆な展開に巧妙な仕掛けが張りめぐらされ、人間性、人間力、愚かさや強さ、正義とは、道徳とは何かを問いかける。岡宮がのめり込んだのは、「思いもよらない展開で面白いのと同時に、いろいろな感情を揺さぶられるところだった」という。

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