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ニューヨーク公演を大成功させた「進撃の巨人」-the Musical-のエレン役、岡宮来夢が次に見る夢は? 【若林ゆり 舞台.com】

映画.com / 2024年12月18日 10時0分

「読んでいくと『ええーっ!!』の繰り返しすぎて。2周目になると『だからなのか』と腑に落ちるような伏線がたくさんちりばめられているのがわかって、『すごい作品だな』と思いました。最初は巨人対人間だった物語が、だんだんとそれだけではなく、歴史や人種、宗教や差別など、この世界と通ずるような問題提起が見えてくる。巨人が現れることは現実にはないにしても、突如、日常が奪われるということは僕らにも起こりうると思うんです。そういう時に人間としてどう行動できるかというのは、その人の本性が見える部分だとも思います。だからこそ、『自分だったら』とものすごく想像するし、いろいろな共感が生まれる」

「綺麗事だけでは言い表せない、人間の醜いところにも焦点を当てているのが、僕はこの作品のすごさだと思います。たとえば調査兵団のみんなが、巨人ではなく初めて人の命を奪う瞬間。そういう場面での諫山先生の言葉ひとつひとつが、すごく心に刺さる。誰に感情移入するかで受け止め方が変わるのもすごいところです。『進撃の巨人』ファンで観に来てくださるみなさんには、登場人物と同じように苦しくなってもらいたいし、とんでもない敵に立ち向かってほしい。エレンの言葉を借りるなら『戦え』と。勇気をもらえるような作品になってほしいです」

 岡宮自身は、いちばん共感できるキャラクターはコニーなのだという。

「僕はコニーが大好きなんです。多分、僕があの世界にいたら、コニーみたいな立ち位置だと思うから。それか、ジャンみたいな感じかな。コニーの言葉、ジャンの言葉にはすごく共感できるし、全然他人事に思えない。きっと性格的に、自分はエレンではないと思うんですよ。でも、エレンのこともわかる。エレンは強い憎しみや怒りといった感情を抱えているけど、誰かのために動いている『愛の人』であることを大事にしながら演じています。僕は漫画が完結してから演じられたのが本当にありがたかったです。アニメの(声優)梶裕貴さんは、エレンの真意がわからないまま役をつくっていたんだと思うと、すごいなって。僕には難しかっただろうなと思います」

 岡宮が俳優として最初のブレイクをしたのは、19年上演の「刀ミュ」ことミュージカル「刀剣乱舞」で鶴丸国永を演じたとき。少年っぽくかわいい容姿とかなりギャップのある、凛々しく澄んだ歌声が評判を呼んだ。それから「王家の紋章」で帝劇のグランド・ミュージカルに進出し、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ではロミオ役に。グランド・ミュージカルに出ると2.5次元を卒業していく俳優も多いが、岡宮は「そういう住み分けはなくていい」と言う。

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