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相米慎二とは“何者”か? 黒沢清、行定勲、瀬田なつき、森井勇佑、山中瑶子が語り尽くす「演出家として敵わない」

映画.com / 2024年12月23日 17時0分

 特に「お引越し」のとあるシーンについては「お手本のよう」と語る。桜田淳子演じる母・ナズナがある行動をとるシーンで、「日本映画史に残る代表的なシーン。まいったなと感じました」と、桜田淳子の鬼気迫る演技と、カットを割っているのにそれを感じさせない自然な流れに触れた。演出については相米映画で象徴的な雨降りのシーンで、なぜ手前の方しか雨が降らないのか行定監督から質問があり、黒沢監督は「現場が付いていけていないから」としつつ、でも「ヘンテコなことが好きだったんだと思います」と笑い交じりに語る場面もあった。

 4Kリマスター版として新たに、公開当時から30年が経って再発見されたことについて行定監督は“時が経っても決して色褪せていない”と話す。相米監督デビュー作の「翔んだカップル」から観てきた行定監督は、「僕の世代は相米作品は必ず“いつ公開されるんだ”と楽しみに待望していて、すぐに観て語られるような存在」と語る。「相米作品は“死”の匂いがすごくある。今回上映される2作品はその匂いがしながらも、子供たちの姿が浮き彫りになっていることで“生”の匂いもある。普遍性をテーマにして、はちゃめちゃに物語を解体したり、反対にもっと深くまで掘っていくところが相米の独自性」と、時代性をも超越していく相米作品の魅力を語り、「若い人たちには新作を観るような気持ちで触れてもらえたら、すごい衝撃になるのでは」と、想いを託すように語る。

 黒沢監督からは「今回4Kリマスターされた2作品は“ひと夏の経験”を描いたもの。子どもが夏休みにこんな経験をしたというだけの話でこんなにもすごい作品ができるということも含めて、今こそ日本以外でも相米慎二監督作品を観ていただきたい」と締めくくった。

 「お引越し」「夏の庭 The Friends」4Kリマスター版は、12月27日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。

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