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2024年公開の映画から、個人的な「今年の10本」をご紹介【映画.com編集長コラム】

映画.com / 2024年12月31日 9時0分

2024年公開の映画から、個人的な「今年の10本」をご紹介【映画.com編集長コラム】

(C)2023 La Mirada del Adios A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.

 2024年をふり返ってみると、前年に引き続き外国映画が不作だった1年だと思います。2023年のハリウッドのストライキの影響が尾を引いています。果たして、ハリウッドは元に戻れるのか、今ひとつ確信が持てない中で年末の賞レースをウォッチしています。そして、今年も自分が見た映画の中から特に印象に残った10本を選んでみました。あくまで個人的なセレクションです。

●「デューン 砂の惑星 PART2」

「PART1」を凌ぐ見事なクオリティでした。ドゥニ・ビルヌーブ監督によるクリエイションが、キャリアの中でもピークに達していると感じます。キャスティングにも隙がないし、物語も重厚だし、何よりもVFXの仕上がりが圧倒的です。しかし残念なのは、北米での興行成績に比較すると、日本での成績があまりに残念なレベルにとどまっている点でしょう。シリーズはもう1作あります。大ヒットで締めくくっていただきたいですね。

●「関心領域」

惨劇が繰り広げられるアウシュビッツ収容所の隣の敷地で、何不自由ないブルジョワ的な生活を満喫する一家を描くという、その発想に舌を巻きました。シュールで哲学的で、ところどころ不思議な、実にA24らしい映画です。5年ほど前に旅行でアウシュビッツを訪れた記憶とシンクロし、強烈な印象を抱きました。アカデミー賞で2部門受賞しましたが、「音響賞」に輝いた点が素晴らしいです。派手に音を鳴らすことなく、観客に恐怖を聞かせるという希有な演出に痺れました。

●「ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?」

ドキュメンタリーは3本選びました。まずは1960年代にアメリカで活躍した後、突如シーンから消えてしまった人気バンド、ブラッド・スウェット&ティアーズの光と影に迫るこの案件。米ソが冷戦を繰り広げていた年代、ロックバンドを使って東欧諸国の思想的な懐柔を企んだニクソン政権の行為には驚きしかありません。これまで明らかにされなかった歴史の裏側を垣間見ることができる非常に貴重なドキュメンタリーです。

●「スカイウォーカーズ ある愛の物語」

これはNETFLIX案件。命綱なしで超高所に登り、命がけで撮ったエクストリームな写真をSNSにポストして人気を得る若きカップルのドキュメンタリーです。2人のターゲットは、マレーシアのクアラルンプールに建築中の高さ678メートルの「ムルデカ118」という超高層ビル。警備態勢が手薄になると踏んで、カタールW杯の決勝アルゼンチン対フランス戦の日を決行日と決めて準備が始まります。綿密なロケハンと侵入のリハーサルに費やされる日々は、まさに「インフルエンサーの苦行」。しかし、建物への不法侵入は犯罪行為。見る者の倫理観とトレードオフな映画でもあります。

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