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「劇映画 孤独のグルメ」から考える「俳優出資映画」が増えてきた理由【コラム/細野真宏の試写室日記】

映画.com / 2025年1月11日 9時0分

「劇映画 孤独のグルメ」から考える「俳優出資映画」が増えてきた理由【コラム/細野真宏の試写室日記】

(C)2025「劇映画 孤独のグルメ」製作委員会

 映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。

 また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。

 更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)

 今週末2025年1月10日(金)から松重豊主演の「劇映画 孤独のグルメ」が公開されました。

 料理が題材となる「料理映画」はそんなに多くないのですが、12月30日に公開された「グランメソン・パリ」に続いて大規模な「料理映画」の公開となります。

 私は薄っすらと存在くらいは知っていた作品ではありましたが、2012年からテレビ東京系列の深夜ドラマとして人気を博して、すでにSeason10まで放送されています。

 また、2017年からは「大晦日スペシャル」として12月31日の大晦日の22時〜23時半という時間帯で毎年放送される「テレビ東京の看板ドラマ」になっていて、本作は「テレビ東京開局60周年記念作品」なのです。

 本作で注目すべきは、主演の松重豊が自身初の監督を手がけたということでしょう。当初は、アカデミー賞で作品賞、監督賞などを受賞した「パラサイト 半地下の家族」(2019年)のポン・ジュノ監督に依頼したりと、本業の映画監督で模索していました。ただ、本命だったポン・ジュノ監督に断られたりしたことで、松重豊が自身で撮ると決断したようです。脚本も共同で松重豊が務めています。

 主な舞台はパリ、長崎県・五島列島、韓国で、各地でロケを敢行。それぞれの土地で主人公が美味しい食事を探して食べるというのが本シリーズの基本的な構造です。

 また、物語が自然と流れるように、主人公の職業は「輸入雑貨の貿易商」を個人で経営、となっています。そして、仕事の関連で各地を移動するという流れです。

 私は本シリーズを昨年末の「大晦日スペシャル」で初めて見ました。そこで感じたのは、「仕事でお金周辺の話が一切出てこないのはリアリティーに欠けるのかな」ということでした。

 「仕事の関連で移動」が発生するのですが、いくら輸入雑貨の貿易商の個人経営であっても、「現在ではブラック案件すぎて問題が生じるのでは」という展開が多かったのです。

 ただ、その後に見た映画で少し意外だったのは、お金に関する表現を一切しない作品なのか、というとそうでもなくて、主人公がお店に無断で使った道具などについては精算するシーンが描かれていた点です。

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