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増村保造監督作「清作の妻」4Kデジタル修復版、ベルリン国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映

映画.com / 2025年1月14日 7時0分

増村保造監督作「清作の妻」4Kデジタル修復版、ベルリン国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映

(C)KADOKAWA 1965

 増村保造監督が手掛けた「清作の妻」4Kデジタル修復版が、2月13日~23日にドイツ・ベルリンで開催される第75回ベルリン国際映画祭「クラシック部門」でワールドプレミア上映されることがわかった。

 2024年の増村保造生誕100周年に際し、海外での評価がより一層高まり、昨年9月には代表作の「卍」4Kデジタル修復版がベネチア国際映画祭「クラシック部門」にてワールド・プレミア上映され反響を呼んだ。今回のベルリン国際映画祭での上映も、過去に世界三大映画祭で上映実績がない監督の作品がクラシック部門で選出される快挙となった。

 増村監督は、「青空娘」以降20作品で若尾文子とタッグを組み、彼女を演技派女優へ導いたことで知られている。その中でも、戦時下で夫への愛情から狂気に走る女性を演じた主演・若尾が数々の映画賞を受賞し、若尾も自身の代表作のひとつとして挙げているのが「清作の妻」だ。

 お兼は貧しい家族を養うために17歳で老人の女となったが、3年後、老人はお兼に財産を残して急逝。時を同じく病気の父親が他界し、お兼は母親と生まれた村に帰る。そこで模範青年の清作と出会い結ばれ幸せな時を過ごすが、日露戦争が始まり清作は戦地に招集されていく。清作は負傷して帰郷するが、清作だけが生きがいとなっていたお兼は彼が戦地に戻るのを阻むため狂気の行動に走る。

 これまで数多くの大映作品のデジタル修復を手がけてきた株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービスにて35ミリオリジナルネガを使用し4Kデジタル修復された。

 増村監督作品の国内上映は「華岡青洲の妻」「陸軍中野学校」の4Kデジタル修復版が、現在開催中の映画デビュー70周年記念「市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき」(角川シネマ有楽町にて公開中/2月よりシネ・ヌーヴォほかにて順次公開)にラインナップされており、増村監督作品をスクリーンで楽しめる貴重な機会となっている。また、今夏開催予定の「若尾文子映画祭」でも増村監督作品の上映を予定している。

 ベルリン国際映画祭での上映に先立ち、映画祭からの選出コメント及び「清作の妻」海外向けポスター、4K場面写真が披露されている。コメントは以下の通り。

【ベルリン映画祭選出コメント】

私たちが増村保造監督の『清作の妻』を2025年のベルリン・クラシックスに選んだ理由はいくつかあります。まず私たち選考委員会は、愛、戦争、社会的拒絶というテーマを大胆に掘り下げたその印象的なビジュアル・ストーリーテリングに魅了されました。そしてイタリア留学の影響を受けた増村のユニークな映画スタイルと、日本の社会規範に対する批判的な考察に特に感銘を受けました。私たちは、第75回ベルリン国際映画祭で『清作の妻』の見事なデジタル修復版を上映し、増村の作品を戦後の日本映画と日本ヌーヴェルヴァーグの最も重要な作品のひとつとして称賛できることに興奮しています。

ライナー・ロター博士/ベルリン国際映画祭レトロスペクティブ・クラシック部門責任者

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