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若き日のボブ・ディランに影響を与えた“伝説の歌手”を演じるために――エドワード・ノートン&モニカ・バルバロ「名もなき者」秘話を明かす【NY発コラム】

映画.com / 2025年1月16日 10時0分

ノートン「歴史や文化史は、ある意味で1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでのエレクトリック・ギター演奏を強調するために、物事を縮小する傾向があると思います。でも同時に、ピート・シーガーはディランがエレクトリックに移行していく過程で、多くのディランの音楽を本当に愛していたと思います。あの夜、何が彼らを苛立たせたのかについては、さまざまな証言があります。でも、根本的には、ディランもシーガーも、あの夜について永続的に否定的な感情を抱いていたという証拠は、私は見つけたことがないんです。彼らはお互いをとても大切に思い、感謝し、賞賛していたと思います」

 伝説のフォーク歌手でディランと交際していたジョーン・バエズの人生は“記録”として残されている。40枚のスタジオ・アルバムとライブ・アルバム、ロックンロールの殿堂入り――昨年はドキュメンタリーも公開された。バルバロにとってジョーン・バエズを演じるための入り口は何だったのか?本人に会って話をしたのだろうか?

バルバロ「ジョーンへの入り口は、リサーチすることがたくさんありました。その中で、まず音楽面でも大きな仕事をこなさなければなりませんでした。私は歌手でもギタリストでもないので、まずは2つのトレーニングに取り掛かったんです。それが私の初期の仕事の多くでした。撮影中、ジョーン・バエズと話す機会がありました。短い会話でしたが、彼女は自分自身について、そしてこの時期に起こったことの全てについて、とてもオープンに答えてくれました。そして私は、何が起こっていたのか、本当によく理解することができました。彼女はいつも魂をさらけ出しているんです。彼女を知るための入り口や機会がたくさんあるように感じられました」

 ジョーン・バエズにとって、ディランはある意味、アフリカ系アメリカ人公民権運動の仲間のような存在だ。だが、ディランは“交際と別れ”で彼女の心を傷つけたこともあった。彼らが共に演奏したとき“魔法のような瞬間”を作り上げられたが、彼らの関係をどのようにとらえているのだろう。

「私の仕事は、可能な限りジョーンらしく、正真正銘の姿を見せることでした。ティモシー・シャラメと一緒に仕事ができて幸運でした。私は彼の作品が大好きだし、ディランとして登場する彼を完全に信頼できると思いました。私たちの下準備は、ボブとジョーンを理解するため、私たち自身のある種のサイロ化(組織や情報が孤立し、共有できていない状態)された経験、それから一緒になって、脚本のページに書かれた状況とお互いへの理解を、演技をするうえで利用しました。それは座りながら、2人(=ディランとバエズ)の関係を理論的に考えたり、その特徴について話すようなものではありませんでした。私たちは、ミュージシャンとして吸収し、ただ目の前に現れて、目の前にあるものを受け取ろうとしていたんです。シャラメは全体的なことを気にしていたんです。あくまで、私たちはその場にいる“ディランとジョーン”になりきっていたんです」

 「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」は、1960年代ニューヨークの再現、脇を固めるノートンとバルバロの演技も秀逸。さらに「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」でジョニー・キャッシュを描いたことのあるマンゴールド監督の演出は見事で、全ての分野において、高い水準を叩き出した映画に仕上がっている。

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