1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」はアルモドバル監督の死生観に魅了される 滝藤賢一、武田真一、山中瑶子らがコメント発表

映画.com / 2025年1月29日 15時0分

【北村道子(スタイリスト、衣装デザイナー) 】

一人の女が死と苦悶に対してやってきた友に饒舌になっていく。そうとは知らない友は次第に引き込まれていく。死に無関心だった友の受け身のショットは私でもある。アルモドバルの脚本は観ている側にも参加を促している。鳥の鳴き声が響く山奥での出来事を映画に昇華した見事な作品である。

【伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家) 】

アルモドバルが母性を表現する時、赤を使う。けれど人生は一色ではなく、カラフルであり本能のままに生きた女性はビビットだと言わんばかりの 神々しき女性のラストショーを目撃した。この次は何を撮るのか、もはや想像もつかない。

【清藤秀人(映画ライター) 】

いかに死にゆくかという課題は、いかに生きたかということと繋がっています。そして、アルモドバルは提案します。死に際でこそ美しくカラフルであれと。さて、マーサのようにレモンイエローの死装束はいかがですか?

【斉藤博昭(映画ライター) 】
どうやって自分の最期と向き合うか――。 多くの人が考え、映画でも何度も取り上げられてきたテーマを、ここまで美しく、優しく、潔く描いた作品は初めてではないか。 自らの運命を決めるティルダ・スウィントンの覚悟と佇まいは崇高そのもの。 アルモドバル監督らしい鮮やかな美術。その決断がいつ実行されるのかというスリリングな緊張感。映画的喜びと興奮に浴しながら、最後は人生讃歌が導かれるミラクルな傑作だ。

【滝藤賢一(俳優)】

生き方の真髄を問われているような。まさに終え方の美学。最期を迎えた時、どんな顔でいるのか。その顔は人生の集大成となっているのだろうか。その時を最高傑作にするためにも今までの生き方、そして、今、これからの生き方がとても重要な気がしてきました。

【武田真一(アナウンサー)】

がんを患う主人公マーサは、旧友のイングリッドに自らの最期を見届けてほしいと依頼する。イングリッドは戸惑いながら引き受けるが、その役割が何をもたらすかは、彼女も、観客である私たちもわからない。ある時を迎えるまで…。死は恐ろしい。せめて誰かに人生の物語を見届けてもらえたら、その苦痛はやわらぐだろうか?寂しさと温かさと、様々な感情が溢れ出る。人と人とのつながりを、もう一度信じたくなる映画だ。

【月永理絵(ライター、編集者)】

遠からず死者になろうとする者と、生者はどのように向き合えばいいのか。このシンプルでいて残酷な問いを、アルモドバルはいくつもの脱線と絶え間ないおしゃべり、鮮やかな色の氾濫とともに描ききる。そして当然女性たちーー母と娘の対話も。これまでとまったく異なる何かに挑戦しているようで、ここには、私たちがアルモドバルの映画に観てきたものすべてがある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください