auじぶん銀行社長×元日銀副総裁、今後の日本経済は?
Entame Plex / 2021年11月29日 18時0分
auじぶん銀行社長×元日銀副総裁、今後の日本経済は?
11月25日、日本経済と金融の“これまで”と“これから”、さらには銀行の未来を考えるべく、auじぶん銀行・臼井朋貴社長と元日銀副総裁・西村淸彦氏による特別対談が実施された。
まずは、日本経済を長年研究し、金融業界で幅広い活動実績と知見を持つ西村氏が日本経済の“これまで”について言及。日本経済はバブル崩壊後、長く深い景気後退・金融危機に直面。1990年代から2000年代にかけてのその困難な時期に産業技術の革新、IT化が進む中で構造転換を迫られたとか。そして、さらなる成長のためには2つの選択肢があり、1つは革新的な「新市場を創出し、新しい付加価値を作り出す道」。もうひとつは保守的な「生産の絶え間ない効率化・費用削減」。
日本は元来、新市場創出と生産効率化、双方長けていただけに、本来は二正面で戦えたものの「残念ながら金融危機以来、日本はリスク回避の傾向が強まり、現状維持の守りの姿勢に」と悔やむ西村氏。そして、インターネットを通じたオープン化、連携の強化など世界の潮流に乗り遅れ、長引く消費不況の中、革新的な商品やサービス全て海外からの輸入品へと移行。これは今なお続いているだけに「効率化も重要だが、今は新しい価値を創造する仕組みが求められている」と西村氏は危惧。
そうした効率化が進む中で日本のインターネット銀行は胎動し、auじぶん銀行は2008年に設立。生活に浸透し始めたスマホに特化してサービスを展開するという志のもと、「“手のひらの銀行”をコンセプトに、ネットだけで完結することは従来なかったが新しい形を生み出せた」と臼井社長は来歴を語る。
そして現在の日本経済について、西村氏は「課題は山積」と憂慮し、中でも問題は「高齢者のICTスキルの低さ」と指摘。さらに気がかりなのは「お金に対する意識の欠如」。とりわけ“投資”への意識は欧米に比べ格段に低く、金融知識の乏しさを懸念。これは臼井社長も同じで日本人の金融知識に対する学びの機会の少なさを悲嘆。
それだけに、auじぶん銀行では金融教育に取り組み、大人向けの資産運用セミナーやアスリートのセカンドキャリア支援を実施。そして、臼井社長が「一番大事なこと」と重要視するのが子どもへの金融教育。「今はほぼないので、子どもの頃から金融に関する正しい知識を身につける機会を提供したい」とアニメーション動画を作成したり、小学校を訪問しお金の授業を行っているとか。
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