柳楽優弥「食われたら俳優辞める!」強い覚悟で挑んだ衝撃作を語る
Entame Plex / 2016年5月23日 15時30分
――それはある種監督とも殴り合い状態でしたね(笑)。
「そうですね(笑)。だけど監督のことを信頼していましたから。(菅田)将暉くんとか小松(菜奈)さんとか(村上)虹郎とか池松(壮亮)さんといった同世代の俳優を集めて、こういう内容で演技をぶつけ合っているのはそうないと思うのでぜひ観てもらいたいですね。これだけのキャスをよく集めたなぁと。普通に恋愛映画とか出来ちゃう顔ぶれにもかかわらず、真逆な方に振り切りまくっていますし(笑)。そこも真利子監督のすごいところですよね。監督が『みんなすげー気合いバチバチで現場に挑んでくるみたいだから、柳楽さん食われないでくださいね』とか僕に言ってくるんですよ。そうやって監督が煽ってくるから、僕もつい『俺、食われるくらいなら俳優辞めますよ!』って、まんまとのっちゃって……(笑)。意地でも俳優辞めたくないんで頑張んなきゃと自分を追い込みました。今思うと監督にうまくのせられたのかもしれませんね(苦笑)」
――確かにこれだけ振り切っている作品だけに、撮影中はどんな気持ちでした?
「こういう衝撃的な映画って、中途半端にやっちゃいけない枠だなと思って、しっかりと腹をくくって強い気持ちを持って挑みました。クランクアップして1年くらい経っていますが、今もう1回やれと言われても出来ないんじゃないかなって。やっぱりタイミングってあるんだなぁと感じています」
――それにしても、喧嘩シーンのなまなましさが凄まじかったです。現場では、アドレナリンが出っ放しじゃなかったですか?
「そうですね。(テンションを)上げるのが大変でしたね。朝イチの撮影が喧嘩のシーンからだと『マジか……』って、なかなか気持ちが付いていかなかったです。だけど、アクション部の皆さんは気合いバッキバキでアクション教えてくれるんで、その姿を見ていたら“ヤベェ……早く起きなきゃ!”みたいな(苦笑)。現場に着いてからエンジンかけるんじゃ全然間に合わないくらいハードだったので、現場に向かう前から気持ちを作るようにしましたね」
――喧嘩シーンの連続でしたが、観る側を飽きさせないよう工夫したことは?
「そこはもう完全にアクション部の皆さんの力ですね。かっこいいアクションじゃなくて、泥臭いストリート・ファイトだから、かなり練習しないと(動きが)自然にならないんです。軽く2~3回型合わせして……くらいじゃ全然ダメで1日に6、7時間は練習していました。超キツかったですけど、それだけの時間を与えてくれたのはすごくよかったです。撮影が終わってホテルに戻ってもしばらくはアドレナリンが出まくりでハンパじゃない状態でした。撮影が進むにつれ、徐々に痩せていってシックスパック(腹筋が6つに割れている状態)になって、ここまできたかって(笑)」
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