SKY-HIがブチ壊すHIPHOPの壁「特定のジャンルやブームには興味ない」
Entame Plex / 2016年8月10日 13時30分
――普段の体重から3キロ落ちた(笑)。
「でも体力的にもパフォーム的にも、人生のなかで今が一番調子いいと思う。だからこそ先ほどの話のようにスピードを落としたくなかったんです」
――術後回復して再び歌い始めるときはどんな気分でしたか?
「めっちゃワクワクしました。最初は全然声が出なくてヤバいな、と思うんですけど、曲を作る作業を1カ月ぶりにしたとき、『何作ろう?』って気持ちが高ぶって。これまでは完全に立ち止まることはなかったから……なんだろう、とにかく楽しくなっちゃって。音楽をできることってこんなに幸せなんだって感じました」
――すばらしいことですね。
「部屋でひとりで作曲しているだけでこんなに幸せなのに、それを共有できる仲間たちがいてホールツアーを回ったことが、なんて幸福だったんだろうと1カ月経って噛みしめたんです。そこで、あらためて『ナナイロホリデー』をレコーディングし直したんですよ。『ツアー、ヤバかったな』って」
――どうですか? 以前のものと聴き比べてみて。
「バイブスが違う。以前の楽曲は“楽しい”をつめこんだものですが、新たな『ナナイロホリデー』は、“幸せ”をつめこめているんです。今の自分にとって、よりよい作品になったと思いますね」
――そう聞いてから歌詞を見ると、日高さんがツアーで感じたことが鮮明に描かれていますね。
「そうなんです。この内容は全部ライブ中の出来事なんです。歌詞の“必ず戻ってくるから”はツアーの最後に観客に向けたメッセージとしての意味と、手術後の復帰戦を示唆しています」
――9月からは19箇所・20公演のライブハウスツアーが控えていますが、楽しみでしょうがないのでは?
「はい。ライブツアーは僕ひとりでまわるつもりです。ダンサーもなしのひとり旅。つまり前回の大掛かりのホールツアーとはまったく異なった内容になります。実は、この前のホールツアーは全席ソールドアウトでした。普通ならさらに大きな舞台に進むのが定石ですが、ちょっと待てよ、と思ったんです」
――というのは?
「僕はAAAとしての活動もあるので、個人として1年にまわることができる公演数はこれまで10箇所程度が限度だったんですね。でもそうなると、行けない場所がたくさん出てくる。聴いてくれるファンが増えているのに、都会の大きな場所で集約してしまうと、ますます気軽にライブを体験できなくなるじゃないですか」
――なるほど。
「そうやって、ファンを横目にどんどん構築していくといつかはいびつなお城ができあがる。それはファンだけでなく僕のキャリアにとっても良くないと思ったんです。だから、なるべく多くの場所でいろいろな人に会いに行こう、って」
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