1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

逆風もチャンスに…賛否両論の“シャリ野菜”開発秘話

Entame Plex / 2017年9月15日 11時40分

――そうなんですね。

「相当な試行錯誤をしました。シャリを使うのが当然の寿司から“糖質カット”するのは相反することですので。最初は『ネタを野菜にしよう』から始まりましたが、いざ糖質を調べるとそこまでは変化がない。やはりお米をなんとかしなければ…とみんなで悩むなかで、ふと出てきたのが大根の細切りでした」

――刺身のツマのような。

「はい。ただ『それじゃただの刺身じゃないか』という話で。今度はまた別の案が浮上して。何度も試行錯誤を繰り返しているうちに、ようやく大根だけでやってみようとなりました。完成に至るまでかなりの時間がかかりましたね。大根の味付けにはどんな酢が合うのか、どれくらいの細さや長さががベストなのか…」



――実際に食べてみて、切り方や味付けにも相当なこだわりを感じました。

「私たちはシャリに信念を持っているので、お酢に関しては得意分野です。いろいろな引き出しの中から大根に最も合う合わせ酢を作りました。もちろん、お米に使用する酢とは違う独自のものです」

――今、SNSなどで「寿司屋でシャリを残す女性」が物議を醸しています。どのように感じていますか?

「そこまで多くはないのですが、お店でも見かけることはあります。ただ、その人たちも気持ちよく残しているふうには見えないんです。せっかく食べに来ていただいているなら、罪悪感なしに帰っていただきたいじゃないですか。残していただかないようにするにはどうしたらいいか、開発するなかで意識はしましたね」

――昨今の糖質制限ブームをどう思われますか?

「いい傾向だと思います。逆風になるのではという危機感もありましたが、私たちはむしろチャンスだと考えました」

――「シャリカレー」や「シャリコーラ」などユニークなメニュー展開が目を引きますが「くら寿司」として商品化を進めるポイントは?

「オリジナリティです。驚きや感動は会社のテーマでもあり、普通のことだけをやっていてもお客さんに楽しんでいただけない。くら寿司は食事とエンターテインメントを兼ね備えたレストランだという自負があります。ただ『まずいものは売らない』。尖ったアイデアと専門店に負けない味を出すという条件を満たしているか、それを基準にいろいろな商品をジャッジしています」

――特色のあるメニューは、個人がSNSで話題を発信する今の時代にマッチしているようにも感じます。

「今のSNSの動きを無視はできないので、もちろん意識はしています。個人が何かを感じてくら寿司の商品を発信していただけることは、私たちにとっても非常にありがたいことです。ただ、それを狙って商品開発をしているわけではなく、結果として、話題になればうれしいといったスタンスです。楽しく食事をしていただくにはどうしたらいいかを第一に考えているので」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください