1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ハイスピードな東京に乗っていく止まらないデザイン。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】3/4

FASHION HEADLINE / 2015年7月19日 19時30分

日本に来るまでは分かりませんでした。外国にいると日本のことはまったく分からない。ブラックホールというか、ホワイトホール。分からないけどいい感じ(笑)。日本に来てから、文化の深さを知りました。

――日本がデザイナーにとってパラダイスだということは、海外で理解されているんですかね? ニコラさんが来日した20年前に比べて、日本でデザインしたいと思っているデザイナーは増えているのですか?

日本に来たいと考えているデザイナーは増えていないですね。若いデザイナーや学生は、有名なところや、そのときに元気な国や都市、場所を目指します。今なら上海や香港に見に行って、写真を撮って、新しい建築を巡りますが、個人的には、本当は場所は関係ないと思っています。私が初めて東京に来たときは、だれが、それを、作っているのかを探しました。時代によって、プロデューサーだったり建築家だったり、時代と人が大事で、場所は関係ない。その時代とその場所のダイナミクスさとコネクトしなければならない。私の場合は坂井直樹さんに手紙を出して、会うことが出来て、すごくお世話になりました。お寺が好きで日本に来ましたとかは自分に関係ない。

――日本と言うよりTOKYOですね。

日本は止まれない。地震もあるし、止まることにリスクがある国です。選択の余地がない。それが良いのかもしれません。ヨーロッパは止まるという選択肢があるけれど、日本は止まれない。前に進み続ける、加速して行く感じが私は好きです。特に東京はハイスピードなトレンドで動いている都市です。それにノルか、ノリたくないかという判断だけ。乗りたくない人は乗らなくて良い。そのスピードはすごくエネルギーがあり、周囲を引っ張っていく力がある。コラボレーションするにしても、一緒にこの東京にノッていきましょう、という感じ。デザイナーはアイデアがあれば一緒に物が作れますから。

「日本では出来ることの上限、海外は失敗しないため方策を探っている」

――日本と海外と仕事をするときの違いは何ですか?

日本と仕事するときはいつも限界がどこにあるのかを探っています。日本人は控えめなので、完璧に出来ないことに対してイエスとは言わない。本当はどこまでできるかを探しています。外国と仕事をするときは失敗の可能性も考えている。施工途中の現場の写真などが送られてきたときに、なぜそうなってしまったのか分からないということが、海外では多々あります。なので、次は失敗が起こらないデザインを考えなければならない。コンテンツマネージメントデザイナーという役割ですね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください