1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ハイスピードな東京に乗っていく止まらないデザイン。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】3/4

FASHION HEADLINE / 2015年7月19日 19時30分

――今回、作品集と一緒に発表された香水ボトルのデザインは非常に日本的ですね。おまけに桐の箱入りです。

ボトルの制作をお願いした菅原工芸硝子さんには最初直径8mmの瓶口をリクエストしたのですが、このデザインは無理だと断られました。しばらくして9. 2mmまでしか無理でしたと、申し訳なさそうにサンプルを持って来られました。ガラス工芸職人がチャレンジしてくれたんです。デザイナーにとってはその誤差は全然OK。私は涙が出るほど感動しました。フランスだとOK、出来ますと言って、8mmのオーダーが3cmで来ることもある。日本のクラフツマンシップの技術はすごいですよ。

――フランスやイタリアの技術も高いと思いますが?

確かにそれはそうです。ヨーロッパの職人と日本の職人の技術はすごく似ています。違うのはそのプロセスです。ヨーロッパの場合、目的は完璧に近づけることで、アルティザンとインダストリアル製品の境目がどんどん近くなってきています。日本は完璧を目指しているのですが、完璧なものを一度壊して、捻り(ツイスト)を加えて、また違うクオリティを生み出します。マシンと人の違いはジャッジができるかできないかなのです。イッセイミヤケのプリーツプリーズはマシンで作られますが、イッセイミヤケ本体の商品ではハンドメイドの美しさを少し捻って生み出しています。デザイナーはそのジャッジをする役目を果たさなければいけないのです。マシンでは生み出すことのできない、人間の手仕事が生み出す美しさを判断をする役割が需要なのです。

■interview & text:野田達哉

--次回、最終章(4/4)では日本固有のシステムやデジタルの未来について話を聞きます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください