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ファッションとテクノロジーの出合いを創出するDecoded Fashionレポート--1/2

FASHION HEADLINE / 2015年8月26日 17時0分

グローバルリサーチ企業「スタイラス(Stylus)」のリテール部門を率いるケイティ・バロン氏は、アフターインターネットである現代において、消費者の行動を考える時のキーワードを3つ挙げている。「ソーシャライズド」「パーソナライズド」「リスポンシブ」がそれだ。このキーワードに沿って、具体的な事例を見てみよう。

■「ソーシャライズド」

ブランドにとって、インターネット上で確固たる地位を築くには、自分たちの商品、ブランド、ショップ等々がオンライン、オフライン問わず語られていることが大切だ。店舗やプロダクトの良さもさることながら、オンライン上でもそのブランドの存在感があるかどうかとも言えるだろう。それはつまり顧客とブランドが、ブランドが提供する価値を共有しているかどうかという意味でもある。ブランドの持つプロダクトやストーリーといった価値にいつでも、どこからでもアクセスできることにより、ブランドは、オンライン、オフライン共にコンテンツを通じて顧客の購入を促すことが出来るということだ。実際の店舗のみならず、オンラインでもブランドのプロダクトやストーリーに出合えるということは消費者にとってみれば、これまでよりもずっと簡単に「お気に入り」にたどり着けるということだ。

そして、ソーシャルな場にブランドがコンテンツを提示する時に忘れてはならないことがある。ロンドン発のスキンケアブランド「ロディアル(RODIAL)」の一例から考えてみよう。ロディアルでは、アメリカのファッションモデル、カイリー・ジェンナーをグローバル・アンバサダーに任命した。そして、彼女をロンドンのショップに招き、その様子をソーシャルメディアでレポートしてもらった。ここで大切なのはカイリーが元々、このブランドを気に入っていたということ。ブランドのCEO、マリア・ハッツィステファニス氏は、「消費者は、そのアンバサダーが本当に製品を気に入っているのか(あるいは宣伝なのか)をかしこく見抜く」と言っていたのはとても印象的だった。ブランドは、ソーシャルメディアでのレポートだとしても、そのコンテンツが真実であるのかと顧客から関心を寄せられていることを忘れてはいけないということだ。

■「パーソナライズド」

テクノロジーは、顧客とのコミュニケーションや販売の方法だけでなく、実際のモノ作りのスキームにも変化を与えようとしている。

ニューヨークの真ん中に工場を持ち、イヤホンのオーダーメードを行う「ノーマル(NORMAL)」の創業者ニッキ・カウフマン氏は、自分の耳に合うイヤホンがないことに嫌気がさして、自分で会社を作ったのだという。ノーマルでは自分の耳のサイズにぴったりのイヤホンがたった2時間半で出来てしまう。これを可能にしたのは、3Dプリンターのテクノロジーだ。事業をスタートして1年後、顧客のデータから左右の耳の形が違う人が少なくとも20%はいるということも分かった。次の展開に活かせるデータだ。カウフマン氏は、「3Dプリンターを使って、大量生産ではなく、“あなた“のために作ることができるようになった」と言う。

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