ファッションディレクター・山口壮大、新宿伊勢丹TOKYO解放区で伝統からアップデートしたファッションの世界を拓く【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2015年9月14日 21時0分
ドメスティックブランドを取り扱う原宿「ミキリハッシン」、渋谷PARCO「ぱりゅこ」のオーナーであり、ファッションを軸としたカルチャー、ストリート、モードの枠を超えて、多岐にわたるプロジェクトのクリエイティブディレクションを手掛ける山口壮大氏。
14年には、「日本の未来のものづくり」を通して「未来のくらし」を提案するライフスタイルブランド「KORI-SHOW」をパリで成功させるなど、その活動はとどまることを知らない。
そんな山口氏が、伊勢丹新宿本店のTOKYO解放区に登場。日本に古くから伝わる所作から構想を広げ、伝統からアップデートしたファッションを提案する、「たたむ/つつむ/むすぶ」(9月16日~30日)の総合ディレクションを務める。
同プロジェクトについて、自身が手掛けるショップや「KORI-SHOW」について、日本のものづくりの未来を語ってもらった。
―「たたむ/つつむ/むすぶ」というプロジェクトですが、山口さんはどう解釈して、その世界観をプロダクトに反映されているのでしょうか。
「たたむ/つつむ/むすぶ」という所作にフォーカスを当てすぎるとコンセプトが先行しがちな、よくある頭でっかちな物作りに傾きすぎてしまうので、今の感覚で所作を再解釈し、ファッションへと落とし込むことを意識しました。“たたむ、つつむ、むすぶ”の概念を今の空気感を表現しているブランドの物作りに付加することで、今に通用する新しい価値を芽生えさせる。いわゆる昔からよく言われている“伝統に宿る美意識”みたいなことではなくて、所作の中に今の空気感やファッションを感じて、楽しんでもらえればと考えています。
―具体的には、どのようなプロダクトが展開されるのですか
“つつむ”を表現するからといって、例えば"現代柄をデザインした風呂敷"みたいな落とし込みは、デザインの再構築ではあったとしても、ファッションではありません。包む機能を今に落とし込んだ一例として、手染めオリジナルテキスタイルが人気のスポークンワーズプロジェクト(spoken words project)が発表した、風呂敷機能をトートバッグのデザインの中で成立させたバッグは、多様性のある風呂敷の機能を気軽に持ち運べ、現代のファッションとして成立させています。また、ハンドメイドで靴を製作するニル(nir)には、パンプスとスニーカーを合体させ、“むすぶ"機能を付加したパンプススニーカーをオーダー。シックなイメージのパンプスが、スニーカーと結ばれることで、別のイメージに変容する。ファッション性が高いことはもちろん、すごく歩きやすいデザインになっています。
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