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ファッションディレクター・山口壮大、新宿伊勢丹TOKYO解放区で伝統からアップデートしたファッションの世界を拓く【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年9月14日 21時0分

―また老舗の伝統技術×人気ブランドのプロダクトとしてはミントデザインズ(mintdesigns)のストールなどもありますね。

モダンなテキスタイルデザインに定評のあるミントデザインズ(mintdesigns)のグラフィックを、江戸時代から続く有松絞りの技法で表現したら面白いだろうなと思ったんです。有松絞りの手作業がかもしだすヌケ感とミントデザインズのモダンなグラフィックデザインの持つスキのなさを合わせたいなと。両者ともに非常にこだわりのあるブランドですので、着地点へともっていくのはなかなか大変でした。

―気鋭のデザイナー、話題のブランド、伝統工芸を手掛ける老舗と「たたむ/つつむ/むすぶ」には多彩な顔ぶれが参加していますが、どのような視点で作り手を選ばれているのでしょうか

伝統的な技法や唯一無二の製法で驚かせてくれる老舗、常に新たな可能性へと挑戦をしているブランドやデザイナーを選んでいます。古くからあるものもすごいし、新しいものもすごい。どのプロジェクトでも同様ですが、本質に近いものづくり、強度の高いものづくりをしている人たちと一緒に仕事をしていきたいんです。

―「ミキリハッシン」や「ぱりゅこ」のように渋谷&原宿カルチャーと、KORI-SHOWのように時を超えて受け継がれるものづくり、山口さんが考えるそれぞれの魅力とは?

「ミキリハッシン」や「ぱりゅこ」では、服や物事を包括して「世の中を見るための視点」を提案したいと思っています。その見方や捉え方を分かりやすくするために、例えば誰もが知っている渋谷や原宿をモチーフとしてブランドに表現することもある。常に実験的であり、今であり、そんな風に発想を楽しめるのが魅力だと考えています。また「KORI-SHOW」では、強度の高い伝統技法を持つ作り手と共に、新たな価値を生みだす面白さがある。プレタポルテとオートクチュールぐらいの感覚の違いはありますが、ファッションというマーケットで共に世界基準なものづくりをしていきたいと思っています。

―日本のものづくりの未来について、どんなビジョンをお持ちですか?

日本各地の伝統工芸やものづくりを認知させるために、国や地方自治体が資金を投入して有名デザイナーとコラボレーションするプロジェクトが増えていますよね。こういったプロジェクトって何を伝えたいかというと、産地の物作りをただ見て欲しいだけなんです。もっと地場が持っているポテンシャルを理解して欲しい。そのために巨額のお金が動いていることが現状ならば、逆に言うと、ものを選び、買うお客さまが物作りを理解出来ている状況になれば、本質をデザインで変容して伝えていくことなく、よりシンプルな状態で伝わっていくのではと思っています。自分が消費者目線になって考えても、感覚的に物を選ぶことはとても大切だと思うからこそ、例えば世の中に出回っているものと出回らないものを理解するだけでも、物を選ぶ視点が大きく変わっていくと思います。その先に物作りにまつわる物語の面白さが待っていると思うので。そのために、まずは誰の目にも触れる可能性のある、キャッチーなスポットでお客さまの興味を惹いていくことが大切だと感じています。だから、今回のプロジェクトを伊勢丹新宿店のTOKYO解放区で提案することには意味がある。先ずはカッコいいとか、おしゃれだなって感じて頂きたい。その先に物作りの格好よさが潜んでいることを、ファッションの売場から伝えていきたいと考えています。

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