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洋服のルーツを横に広げるんじゃなくて、下へ下へと掘り下げていく--山下裕文×小暮昌弘2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年10月24日 21時0分

山下:「ウィズバンビニット」ですね。

小暮:あのセーター、意外に若い人とか、女性までも反応してくださったんでしょ。若い人が飛びついてくれて、それをきっかけに、「ウィズバンビ」(ヘミングウェイの息子ジャックの愛称がバンビで、最初の妻ハドリーと3人で撮った写真が有名)って何だろう、と興味を持ってくれたらいいですよね。

山下:もう、最高です!

小暮:最初の頃、カタログというか、小冊子作っていたじゃないですか。(『ヘミングウェイの流儀』を書いた)山口淳さんが文章を書かれていて。モヒートの品名にまつわるストーリーが描かれている、素敵な作りでした。

山下:それが悪いという意味ではなく、カタログなどを見ていると「顔料染めのクルーネック天竺」という商品名が書いてあるじゃないですか。僕、そういうのが嫌いなんですよ。Tシャツを、天竺という素材で、顔料染めにしました…。そういうのは、洋服を着るお客さまにはあまり関係ないわけで。小冊子を作ろうと思ったときに、山口淳さんに、洋服の細かいところは一切書かないでくれっていいました。淳さんもはじめキョトンとした顔をされて。

小暮:普通だったら服のスペックなど、詳しさを求めますもんね、カタログだから。

山下:山口淳さんが「僕にそんなことを言ってきたのは山下さんくらい」と。写真も白黒でいいし、サイズも書かない。値段も書かない。生地とか、縫い方っていうのは必要最低限に、と言ったら「面白いね、じゃあやろうよ」と引き受けてくださったんです。

小暮:それはある意味、モヒートを山下さんがひとりでデザインして、製品まですべて係わっているから、決断出来るということでは。普通の会社の発想では、そこまで大胆なことはできない。で、山下さんは作るだけでなく、日本全国を廻り、ときには店頭に立ち接客までされるわけじゃないですか。

山下:(店頭に立つことは)自分自身の勉強にもなるし、着る人ってこう考えるんだ、私の服をこんな風に着てくれるんだ、と直接感じることができます。でも僕の服に限らず、メンズの服って、なかなか手強い。誰でもなんでも似合うわけじゃない。じゃあ似合うためにはどう着こなせばいいか、それを僕なりの提案でお客様に直接話せる、これも嬉しいです。

小暮:えっ、モヒートを似合うようにするには、どうしたらいいんですか?

山下:そうですね、まずは堂々と着ることですね。やっぱりこれがいちばんかな。僕がフィッティングに付くと、若い人が緊張したり、ちょっと恥ずかしそうに着てくれるんですが、やはり堂々と着るっていうのが、いちばん肝心です。

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