1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

洋服のルーツを横に広げるんじゃなくて、下へ下へと掘り下げていく--山下裕文×小暮昌弘2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2015年10月24日 21時0分

小暮:なるほどね。

山下:僕らの若い頃と違って、今はみんなスタイリッシュでしょ。なぜならば、洗練されたものが多く売られているから。だから何を着てもカッコいいんですけれど。昔は、ちょっと変な洋服でも堂々と着ていたのが、逆にカッコ良かったんです。半分糊が落ちてないようなジーンズに、ブカブカのMA-1着ているんですけど、堂々着ているからカッコよかった。なぜなら(服を選ぶ)選択肢があまりなくて。これが欲しい、これが着たいという強い思いと目的が着る側にあったからなんです。僕が作るような無骨な服を着る秘訣がこれです。

小暮:これを着るためだったら、着倒すみたいな迫力ですね。昔はありましたね。

山下:そこが大きく違うと思います。

小暮:そうか、堂々と着る。いや、なかなかできないですからね。でも山下さんはいつも堂々とモヒートを着ていますね。山下さんをお手本に着ればいいんですね。では、山下さん、最後に、今後はモヒートをどうしていきたいですか。

山下:もう少しモヒートを「面」的に見せていくことを意識しようかと思っています。単品で「アルズコート」や「ガルフストリームパンツ」などの「物語」を紡いでいくこと、それはそれで僕は好きなんですが、もう少しコーディネートというか、ブランド全体のイメージを構築することもしていきたいですね。ファッションなので、10年前と今のものは、違わなきゃおかしい。でないと自分がやっていることを否定することになる。しかし「父親が愛用していたブランドなんだ」といわれるくらい、次の世代までこのブランドを継続できたら最高だと思います。先日、札幌イベントの打ち上げで飲んでいたら、僕の前に(お酒の)モヒートが出てきたんですよ。カウンター端に座っていた人が「うちの子供、山下さんに抱っこしてもらったんです」とモヒートを勧めてくれたんです。その人は3年前に札幌のイベントで接客させていただいた人だったんですね。すぐにお子さんを抱っこしたのを思い出しました。例えばですが、その息子さんがお父様に買っていただいたモヒートを着てくれたら、デザイナー冥利に尽きますね。自分が作った服が古着屋さんに並ぶ……。そうなったらもう最高じゃないですか。

小暮:そうですね。モヒートの服はその素質、普遍性を持った希少なブランドだと思います、絶対。これからも頑張ってください。今日は、貴重なお話、ありがとうございました。


【プロフィール】
山下裕文(Hirofumi Yamashita):1968年熊本生まれ。原宿の伝説ショップ「プロペラ」でバイイング、プレスを担当。その後フリーランスに転身し企業のコンサルティングなども務め2010年、自身のブランド・モヒート(http://mojito.tokyo/)をスタート。

小暮昌弘(Masahiro Kogure):1957年埼玉生まれ。法政大学社会学部卒業。学生時代よりアパレル会社で働き、卒業後は婦人画報社に入社。『25ans』編集部を経て『Men’s Club』編集部へ。2005から07年まで編集長を務める。その後、フリー編集者に。雑誌『Pen』『Men’s Precious』『サライ』などを中心に活躍。

1/2に戻る。-- 「アーネスト・ヘミングウェイがもし今生きていたら」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください