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人類を旅へと誘うルイ・ヴィトンのルーツに迫る展覧会が開幕--アート、そしてファッションへ連なるエモーショナルな旅路【Report--2/2】

FASHION HEADLINE / 2016年4月22日 21時0分

インスピレーションの国、日本の部屋では、和のしつらえが迎えてくれる

4月23日より開幕する、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の展覧会「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ ── 旅するルイ・ヴィトン)」。我々を身体ごと引き込んだルイ・ヴィトンの旅は、徐々に“内なる旅”へとシフトしていく。

列車の旅を抜けるとそこに現れるのは、モノグラムの壁紙がはり巡らされたほの暗い空間。中にはデスク・トランクやライブラリー・トランク、ステーショナリーにタイプライターなどが並ぶ。本展のキュレーターを務めるオリヴィエ・サイヤール氏がもっとも刺激を受けたという、ルイ・ヴィトンの孫であるガストン-ルイ・ヴィトンは、執筆や読書をこよなく愛した人物。書の美学を大切にした彼ならではのコレクションは、モノグラムの用途拡大へとつながってゆく。


余暇の時間(ウール・ダブサンス)と題された部屋

ガストンは幼き頃から博識なコレクターだったが、書籍や印刷物、ホテルのステッカーなど、その膨大なコレクションから収集分野が多岐に渡っていたことが解る。会場に集められた多様なアンティーク・トランクもその一部だ。彼がトランク収集のために作成した質問票を見れば、好奇心に満ち溢れた人となりが窺える。コレクトされたものはすべてガストンのインスピレーションになり、ルイ・ヴィトンのファミリービジネスを発展させてゆく。

1927年にはルイ・ヴィトン初のフレグランスを誕生させ、ガストンはそれまでになかった新しいボトルを作り上げる。香水瓶はルイ・ヴィトンとアーティストのコラボレーションの先駆けとなり、オペラや花、舞台芸術をモチーフに様々なデザインが考案された。会場では、その美しいボトルやケースも展示される。


香水瓶はルイ・ヴィトンとアーティストのコラボレーションの先駆けとなった

ルイ・ヴィトンは、言わずと知れた世界各国に多くの顧客を持つブランドだ。創業者のルイ・ヴィトンがレイティエ・アンバルール(荷造り用木箱製造兼荷造り職人)として培った気配りは、メゾンを通して脈々と受け継がれ、その信頼と創造性が今日のルイ・ヴィトンを創り上げた。顧客の要望に応えるユニークなスペシャルオーダーの数々は、会場内を刺激的に彩る。ミュージシャンのために大切な楽器を守るケースを、そして名を馳せた往年女優たちのために化粧道具ボックスやジュエリーケースを、紳士たちのために靴用トランクやエレガンスなステッキを。ルイ・ヴィトンの手にかかれば、これまでに存在しなかったものは、“存在するもの”として価値を見出すのだ。

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