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アパレルビジネスの常識ではあり得ないことをする使命感 spoken words project デザイナー飛田正浩--2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年6月7日 18時0分

spoken words projectのアトリエ

昨年に続き、PUMAとのコラボレーションでアートを身にまとえるTシャツを発表したスポークン ワーズ プロジェクト(spoken words project)のデザイナー飛田正浩に、ファッションとの向き合い方を訊いた。1/2はこちら。

■アウトプットしてゆくことの意義

ーーPUMAとの第2弾コラボレーションでは、1点もののスニーカーに加えて、「ewokiru」をテーマにしたTシャツを発表されましたね。

1点として同じものがないアートを履いて、着る。PUMAのようなグローバル企業がそれを手がけることに意義があると思うんです。アートの世界には、アーティストとの間にギャラリストがいて、道に落ちている石ころが3億円になってしまうマジックが生まれたりする。PUMAのような大きな船と僕たちみたいなブランドが取り組む面白さって、ある意味それに共通すると思うんです。オジさんになったからもう言ってもいいと思うんですけど(笑)、アパレルビジネスの常識ではあり得ないことをやって、新しい価値観を提案していく。そのことに今、使命感のようなものを抱いています。


アトリエには、PUMAとのコラボレーションでアートを身にまとえるTシャツも


ーー他にも伊勢丹新宿店のTOKYO解放区で行ったオリジナル制作のワークショップを始め、いろんな形でもの作りの面白さを発信されていますね。

今もうひとつ「3min. by spoken words project」という新しいブランドも作っているんです。生地と型紙がBOXに入っていて、経験もミシンもなくても、手縫いで服が作れる。TV番組の「3分クッキング」くらい、気楽に洋服作りを楽しめるキットです。ワークショップもそうなんですけど、よく根幹でもある”技法”をそんなに簡単に教えてしまっていいの?と聞かれるんです。でも、僕の中ではむしろ、どんどん発信していかないと逆にヴィヴィッドさ、フレッシュさを失ってしまうという危惧がある。きっとそうすることで、自分自身も新たな価値観を開拓しているんですよね。


手縫いの楽しさを教えてくれる「3min. by spoken words project」も始動

あと去年から、週1回のペースで東京造形大学の学生たちに教えています。それこそ、家庭を持ったことや震災をきっかけに、自分の手の内にしろ何にしろ、伝えていかなければならない段階なのではと考えが変わりました。みんなまったく新しい発想から取り組んでいて、教えつつも反対に学生たちからファッションの多様性を学んでいたりしています。あと、彼らに「(自由で)いいんだよ」って伝えてあげられる面白さ。ゲームでも介護の視点でもいい。ファッションって本当に、まだまだ進化する可能性があると思うんです。

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