【ファッションの“未来”たちに聞く】世界をちょっとだけ、でも確実に、ハッピーにするファッションを デザイナー村上亮太--2/2
FASHION HEADLINE / 2016年7月26日 21時30分
デザイナーを志したリョウタ ムラカミ(RYOTA MURAKAMI)デザイナーの村上亮太は、山縣良和が主宰する「ここのがっこう」でファッションを学ぶ中、自らのルーツはどこにあるのかを追求したという。
その結果、おかんと二人三脚でコレクションを制作するというアプローチに行き着いた。
1/2はこちらから。
村上亮太へのインタビュー後半では、一度もお客さんが来た事のない「町外れのブティック」をテーマにした16-17秋冬コレクションについて。そして、村上が考える将来について訊く。
ーー今年の秋冬についてお聞きします。ファーストルックのモデルがおばあちゃんでした。
「町外れのブティック」というのが16-17秋冬のテーマです。しかも、そのブティックには今まで一人もお客さんが来た事がないっていうお話です。お客さんは一人も来た事がないけど、オーナーは服作りがめちゃめちゃ好きで、誰にも求められてないけど、好きだからやっているという。以前イタリアに行った時に、ローマでそういうブティックに出合いました。「誰が通るんだろう」っていう路地に、自宅兼みたいな感じで、ポツンと。そこでおばあちゃんが、訳分かんないものを作ってるんですよ、目玉の付いたファーの塊みたいなもの。
ーーローマでファーと言えば、FENDIだ(笑)
そうなんです(笑)。でもとてもクオリティが低くて、センスも狂ってる。それが200個ぐらい壁にズダーッと飾られてて、「これを毎日1匹作る事が日課なの」と言っていました。そのほかにも、自分で服を作っていて、それもなかなかのクオリティで…でもどこか憎めないんです。たぶんそれも全然売れてないと思います。
RYOTA MURAKAMI 16-17秋冬コレクションより
でもそれって、自分の母親がやっている事とすごくリンクしていたんです。承認欲求に縛られないものづくり、「ただただ、好きだから作る」という。だから、ファーストルックのおばあちゃんは、そのブティックのオーナーをイメージしています。お針子さんみたいに白衣着て、紫陽花のピンクッションを付けています。その後に、そのおばあちゃんが作った服を着た”息子”たちが登場するという構成です。
RYOTA MURAKAMI 16-17秋冬コレクションより
ーーなるほど、だからちょっと中性的なアプローチなんですね。
幼い頃に母親が作っていた服もちょっと中性的というか、女の子が着た方が似合う服が多く、そもそも考えていないというのがあると思うのですが。作り手の着せたい願望とモデルの着せられてる感もショーを通して表現したい部分でした。それで無理やりメンズモデルに着せました。
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