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三原康裕が描く、“ジェンダーレス”の先にある未来”--2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年8月3日 20時30分

ミハラヤスヒロ17SSコレクション

ミハラヤスヒロ(MIHARA YASUHIRO)のデザイナーである三原康裕が、ロンドンコレクションに発表の場を移した心の内を語ったインタビュー。

前編「三原康裕が語る“パリからロンドンへ発表の場を移した心の内”」はこちらから。

後編では、彼が見据えるファッションの未来を垣間見ることができた。

ーー今回のコレクションは、会場もボーリング場でしたし、単純に“楽しさ”や“奔放さ”というのを感じます。

スタッフにもよく言うのですが、トレンドをああだこうだ言う前に、単純に「洋服は好きか?」と。僕も昔はただただ洋服が好きだったから。今は、当時その洋服がなんで好きだったのかということを再確認する時期に来ているんだと思います。40歳になって、これまで自分が作ってきたものが、自分にとっての大きな先生なんです。これまで作ったものによって、自分をより明確にしていきたい時期なのかな。

そこは芸術の世界でも同じで、自分が当時理由もなく好きだった表現やその手法を、ある程度時間が経った後で振り返ることで客観的に分析できる。それをファッションという、人が日常的に使うものの中でどうやって表現していくか。もう一度、原点に立ち返る時期に来ていると思いますね。

ーーそういう“立ち返る”ことも含めて、新天地であるロンドンへ移ったということでしょうか。

パリではある程度の“位置付け”をもらってきたがために、ロンドンに移ることで、そういう立場を少なからず失うとは思いました。しかし逆に、得るものもまた大きいであろうと。

これも先ほどの直感的な部分と繋がってくるんですが、今の自分が楽しいと思える方を選び取っているというか。パリのコレクションオーガナイザーからはすごく好かれていて、スケジュールも良いところに入れてもらってたんですけどね。ですが、ロンドンもウェルカムなムードで、好きな時間で良いよって言ってもらえました。

ーー今、文化やアートの世界では、直感的な選択やエモーショナルな表現を再評価する気運が高まってきていると思います。斜に構えずに、いいものを素直にいいと言える時代になってきたのかなって思います。

文化も人も、時を経て、賢くなってきたんだと思います。知性というか知能というものは、抑えられてしまっているかもしれないですが、言葉にできないものを、しっかりと感じ取ろうとする姿勢は昔よりも強くなったと思いますね。

ここ最近のファッションに対しても、同様のことが言えます。起爆剤となるのはランウェイかもしれないですが、今の若い子たちはもっとヒストリカルに、もっとストリート的になってきています。ランウェイをさらに進化させたいという自由な感覚や発想を持っていますよね。

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