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三原康裕が描く、“ジェンダーレス”の先にある未来”--2/2【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年8月3日 20時30分

ーーインスタグラムの登場も大きいでしょうね。

ファッションってある種、直感的であり感覚的であることが重要だと思っています。「かっこいい、かっこ悪い」が大前提として存在するから面白いんです。昔はすごく論文的なアートが多くて、なるほどなって思いながら、悩み考えることもありました。でもやっぱり、パッと見て「美しい」とか、単純に「素晴らしい」ものは、いくら言葉を尽くしても表現しきれないですから。

ーー世の中がこれだけ複雑で、混沌としてきたからこそ、アートやファッションは“直感的”で“エモーショナル”なものを求めているのかもしれませんね。

世界がこの先どうなっていくかは、まったくわかりません。いちデザイナーとして、今後の動向には注目していきたいです。

僕はファッションで、世界を“見直す”ことができると思っています。ファッションで、世界を再提示して見せると言いますか。もう少し進んだ言い方をしますと、それをポジティブに昇華できるのがファッションの力だと思っているので。ただ僕は政治論者ではありません。だからあくまでも、世界に対するメタファーとして、ファッションを通して表現を続けていきます。


ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)やアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)を引き合いに出すのが、正しいかどうかわからない。彼らが常に理想を掲げて、“性差”から解き放たれた自由な未来を思い描く一方で、三原は現在のファッションや世の中のムードに対して一石を投じるようなコレクションを打ち出した。しかし、リアリストに徹したわけでもない。

彼は、十八番である“再建築”を駆使することで、過去をリミックスし、“新しいもの”として提示したのだ。

結果、自由で伸びやかな、ある種牧歌的なアイテムが数多く見られることとなった。それは“ポジティブのリアリズム”とも言うべき、経験と研鑽に裏打ちされた、ミハラ流の未来と言ってもいいだろう。ルック一つひとつを目で追うだけで元気が出て来て、前向きな気持ちにさせてくれる。彼はロンドンで、純粋に“洋服”が好きだった頃の、反骨心あふれるティーンエイジャーに戻ったのだ。じゃあ、これから先のコレクションはどうなるだろう。

ミハラヤスヒロが描く未来は、“性差の解放”よりも先にあるような気がしてならない。つまり、“個性の解放”がそこにあるとすれば、性差も階級も関係なく、誰もが自由にその魅力を享受できるような服が生まれるはずだ。その未来ではもはや個性的であることにこだわる必要はない。個性的であることも、個性的でないことも、等しく扱われる未来だ。今回のロンドンでのコレクションは、新たな道徳心を持った未来の世代へと繋がっている。

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