1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ロンドンの若きガーデナー兄弟が語るランドスケープデザイン【Our Favorite LONDON vol.3】

FASHION HEADLINE / 2016年9月22日 15時0分

ーーそんな中で手掛けた大きなプロジェクトのひとつ。昨年サーチギャラリーで行われた、シャネルの展覧会について教えてもらえますか?

デイヴィッド:これまで手掛けたプロジェクトの中で最高の経験でした。

ハリー:ロンドンで手掛けた最初のプロジェクトでもあったんですよ。

ーーそれはすごいプレッシャーでしたね。

ハリー:(笑)そう、最初から最後までまったく気が抜けませんでした。シャネルのために庭を作る機会に恵まれるなんて、そうあることじゃないですからね。歴史あるハイエンドなブランドにふさわしい、美しいものを生み出さなければいけないという想いに加えて、都合で制作にあまり時間を掛けることができなかったんです。

ーー作品自体のアイデアはどのように構築していったのですか?完璧な世界観を持つファッションブランドと、リッチ・ランドスケープスの自然を活かすガーデニングのスタイルのマッチングはユニークに感じました。

デイヴィッド:まず、プロジェクトに取り掛かる前にシャネルについてリサーチをしました。ココ・シャネル(Coco Chanel)の最大のテーマは、女性そしてそのファッションの解放です。展示が行われたサーチギャラリーは都市の中心にあるのですが、その忙しない場所から美術館に訪れた人が、そこに広がる庭を歩くことで自然を感じ、ココ・シャネルが掲げたテーマと同様に自然の美しさによって解放感を感じてもらえたらという意図がありました。それに、ブランドを象徴する素材のツイード。スコットランドに流れる川の辺で生まれた、自然を彷彿させる生地でもありますよね。

ハリー:ココ・シャネルという人物と対峙した時に、三つのバックグラウンドが浮かび上がったんです。一つ目は、シャネルが掲げたリバティ(自由、開放)。そしてエレガントな恋人、ボーイ・カペル(Boy Capel)とのロマンス。そして、彼女の星座であるしし座の力強さです。これらの異なる要素を投影し、三つのパートからなる“ガーデンルーム”を構築しました。だから、見た目のファッションやスタイルというよりも、そういった本質的な部分からヒントを得て反映させていったんです。


サーチギャラリーで行われたシャネル特別展のインビテーション

ーー昨年は、チェルシーフラワーショーでゴールドメダルを獲得した年でもありましたよね。

デイヴィッド:スポンサーだったクラウディ・ベイ(Cloudy Bay)にちなんで、赤と白ワインのモチーフをどこかに含ませるというお題があって。けど、それ以外は自由に創造させてもらいました。庭に可動式の小屋を立てたんです。普通なら、動く小屋が作りたいなんて言ってもクライアントはあまり興味を持ってくれないじゃないですか(笑)。チェルシーフラワーショーは、僕らがやってみたいことに挑戦できるチャンスでもありますね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください