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”ヴィンテージはトレンドではない“。ヴィンテージショップ・EVAオーナー宮崎聖子【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2016年9月23日 20時15分



パーパースバザーの雑誌が大好きだという宮崎さんは、その想いを大切にものづくりにも注ぎ込んだ。EVAが得意とする古着のリメイクアイテムは、その発想力の豊かさに驚かされる。

「ハーパースバザーは白を基調としたエディトリアルが印象的で、紙面の中に一つの世界観を作っている。私はそこにフォーカスして、ヴィンテージのラインアップとはまた別に、白で揃えた古着のリメイクアイテムも用意しました。ベースとなるのは、おそらく1930年代頃のドイツの医療用ユニフォームと思われるもので、一着のアイテムを解体してコートやジャケット、パンツなどを制作しています。何十年も前からあるものに新しい解釈で手を加えて、女性のさまざまな顔があるように、1型→17型に仕立てました。日本人の女性は白のコーディネートを敬遠しがちですが、ストリートっぽく着こなしてもいいし、ぜひ日常に取り入れてもらいたいです」


イベント限定のEVAオリジナルリメイクアイテム
■時代とともに変化する女性のファッションマインド

イベント会場には、宮崎さんによるメッセージも掲げられる。「私が考えるこれからの女性の生き方、ファッションがどうあるべきかといったことを綴っています。パーパースバザーの歴代の表紙も展示されますが、紙面を飾ってきた女性たちはみんな意識が高い。いまの私たちが自由にファッションを楽しめるのは、こういう強気な姿勢で頑張ってきた人たちがいるからこそ。女性へ対するオマージュも含めたイベントにしたかった、というのが私の想いです」

イベントではファッションカルチャーの変遷をブランド・ヴィンテージで表現しながら、50~70年代のアートカルチャーを現代風に解釈したリメイクアイテムを展開する。50~70年代は、まさに女性にとって激動の時代。50年代は妻や母、娘といった立場でしかなかった女性が、さまざまなムーブメントを経て、80年代には社会進出を果たす。時代とともにファッションも解放され、60年代にはスカート丈が短くなり、70年代になると性にオープンになり素肌を感じるドレーピーでシアーな服が登場する。

「この時代を駆け抜けた多くの女性の生き方があってこそ、女性が何でも自分で選択できる今の時代へと繋がりました。今回用意したアイテムは、今の私が考える女性像を象徴しています。着回せるとか使えるとか損得で判断するのではなく、着てみたい、手に入れたい、と純粋に思ってもらえれば嬉しい。私自身買う前から結果が分かっている洋服は着たくないし、買ってからさてどうやって着ようと思うのがファッションの楽しさだと思うので。ヴィンテージは単体で魅力があるもので、着回し力のような保証がない。これだけ大切にされてきたと語れるものを置いていますし、ヴィンテージショップとは本来そういう場であって、全身トータルコーディネートでおすすめするところでなければ流行りものを提供する場でもありません。店主としては、見てときめいてもらうのがいちばん嬉しい」

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