前衛的でいて、機能的--ジュエリー界の若き“惑星”KOTA OKUDA【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2016年12月30日 14時0分
今年も様々なムーブメントがファッションシーンを彩った。
大きく分けると、2つの潮流に分けられる。ヴェトモンのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)が再提示した90sライクなストリート感覚と、グッチのアレッサンドロ・ミケーレによる、フォークロアやヒッピーカルチャーを織り交ぜた70sレトロスタイルだ。当時の作り手たちが憧れた、近未来的でフューチャリスティックな世界観もその一つ。
後者の“軌道”に乗せて紹介したい、若き“惑星”がKOTA OKUDA/奥田浩太だ。
ロンドンの名門セントラル・セント マーチンズ ジュエリー科を卒業。在学中の2015年に、欧州最大のファッションコンテストの一つであり、世界中の若手デザイナーにとっての登竜門である「イッツ(ITS)」のジュエリー部門でグランプリを獲得した。現在、25歳。若き才能に対して“原石”と表現することがあるが、彼は既にして、ピカピカに磨かれた“貴石”のような輝きを放っている。
KOTA OKUDAのデザイナー・奥田浩太
ブランドについて、ロンドンでの学生時代、素材に対するアプローチなど、KOTA OKUDAの“これまでとこれから”を、拠点であるNYから帰省中の彼に話を聞いた。
ーーまずは、セントラル・セント マーチンズを選んだ理由から教えてください
新潟で地元の高校を卒業後、フラフラと東京へ出てきました。単純に都会への憧れです。東京で過ごしたのは1年間だけでしたが、そこで様々な人たちに感化されました。芸術やファッションに携わる人たちはやはり素敵に映りました。セントマを選んだのも、その延長といいますか、海外でクリエイティブな分野で学びたいという単純な憧れからです。その頃は『ジュエリーでやってやる!』みたいな、明確な意志を持っていたわけではありません。
ーーでは、セントマが漠然とした“憧れ”を“ジュエリー”という具体的なものへと結びつけてくれたんですね?
そもそもファッションを志していました。でも初日で『違う』と感じました。いい意味で面食らったといいますか。裁断もミシンも何もできなかったですし、「じゃあどうする、何をしよう」と改めて自問した時に、僕は“素材”が好きだと強く自覚しました。金属、ガラス、革、陶器、木材…。衣服よりも工芸的で、その前にある、よりフィジカルなものへと食指が動きました。
ーー導かれるべくして導かれたのだと思います。
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