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明治の伝統織物が蘇る「STYLE*MEISEN」展、matohu×秩父銘仙・逸見×足利銘仙・高橋【プロジェクトメンバートーク】

FASHION HEADLINE / 2017年1月28日 15時0分

「STYLE*MEISEN展」

日本デザインコミッティーと経済産業省関東経済産業局が連携し、埼玉県秩父と栃木県足利の事業者が「銘仙」を服地として復活させるべく発足したプロジェクト「スタイル*メイセン(STYLE*MEISEN)」の展覧会が、松屋銀座7階デザインギャラリー1953にてスタートした。

明治時代に生まれた銘仙は、糸にプリントした後に織る「ほぐし織」という高度な技法を使ってできる染織。大正から昭和初期にモダンな柄で一斉を風靡した着物であったが、戦後の日常着として需要がなくなった着物とともに産地が衰退し、現在は織元が数社残るのみとなっている。

展覧会の開催初日にはトークショーが行われ、同プロジェクトのデザイナーとして起用されたまとふ(matohu)の堀畑裕之と関口真希子、秩父銘仙「逸見織物」の逸見恭子、足利銘仙を手がける足利市「ガチャマンラボ」の高橋仁里の4人が参加。銘仙と「スタイル*メイセン」の2つをテーマにトークを行った。


高橋「足利では約20年くらい前に銘仙を作る事業者が絶えてしまいましたが、最近では洋装化を目指す取り組みが出てきています。服として使うような幅で織るために織機も変わってきているのです」

逸見「秩父では、細々とではあるが途絶えることがなく続いてきました。織機なども昭和初期のものが残っています。また、現在残っているのは10社足らずだが、新しく起業し、取り組みをスタートしたところもあるります」

堀畑「プロジェクトを進めるに当たって、銘仙という音を残しながら、新しいスタイルを作るという意味でブランド名を『STYLE*MEISEN』としました。英語表記にしたのは、日本だけでなく世界へ発信するためです」

関口「ヨーロッパのラグジュアリーブランドの中にも銘仙に興味があるというところはあるし、イタリアでは銘仙の雰囲気をプリントで表現しているところもあるが、本当に銘仙の技術が残っているのは秩父と足利だけ。海外に出て行くことにも大きな意味があるのです」

堀畑「高橋さんと食事をしたときに聞いた、銘仙をフランスに持って行った話が印象に残っています」

高橋「国内がこういう状況なので、足利や桐生の事業者は海外に直接営業し始めています。プリントではなく、銘仙の本物の技術なら海外でも上手くいくのではないかと、各国を回ったが海外のメゾンからも『こんなにすごい技術があるなら、完成度を高めてどんどん持ってきてくれ』と言われました。また、その一環でもともと銘仙と同じものがあったリヨンにも行きました。そこでは、ほぐし織りの技術を機械化しようとしていましたが、実際ポリエステルではできてもシルクでははできないのです。そのため、ウズベキスタンやパキスタンから手織りの技術の高いものが入ってきているということでした」

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