鹿児島睦が表現する“図案”と“造形”。 地元・福岡ではじめての大規模な展覧会「#鹿児島睦展」【Report--1/2】
FASHION HEADLINE / 2017年3月8日 20時51分
陶器やオブジェに描く、動物や植物をモチーフにした独特の絵柄。見る人に、愛らしさやユーモアを交えながら、デザインとものの楽しさを伝えるアーティスト・鹿児島睦。近年ではさまざまなブランドとのコラボレーションや壁画なども手がけ、ロンドンやロサンジェルス、台湾など海外からも高い評価を得る鹿児島の展示会が、ホームグラウンドである福岡ではじまった。
鹿児島のオリジナリティあふれる作品の魅力、それは構成力のある「図案」と独自の技法で生み出す「造形」にある。今回はそれらをテーマにした展示会を、三菱地所アルティアムと太宰府天満宮、2カ所の会場で同時開催する大規模な試みとなっている。
■発想の原点をたどる
「鹿児島睦の図案展」
ファッションビル・イムズの中にあるアートギャラリー「三菱地所アルティアム」で表現したのは、鹿児島の作品がどのように生まれ、かたちになっていくのか。その原点となる「図案」に焦点を当てたもの。
会場は図案をコンセプトに、器・プロダクト・空間というアプローチで大別され、構成・展開されている。それぞれの見どころを紹介しよう。
<図案×器>
会場に入ってすぐの壁面には、作家活動の原点である陶芸作品を展示。かき落とし、下絵付け、蝋抜き、染付など4種類以上の技法を使って表情を出した鹿児島の器は、同じモチーフでも技法や色によって異なるニュアンスが楽しい。大皿作品もあり、最初から思わず時間を忘れ、緻密な作品世界に惹き込まれてしまう。
<図案×空間>
空間に足を踏み入れて、まず目に飛び込んでくるのは壁一面に描かれた「ZUAN」の壁画だろう。駆けつけた大勢のファンの前で、ライブペインティングを施した作品は、春らしいピンクで構成された図案が心を弾ませる。
壁画と連動するようにフロアの地面や壁面に描かれているのは「鳥と花」の図案。ハンドメイドの陶皿の図案を拡大したフォトーブースでは、作品世界に飛び込んで自由に撮影が楽しめるなど、空間を大胆に生かした図案の魅力を体感できる。
<図案×プロダクト>
テキスタイルやパッケージデザインなど、プロダクトを紹介するゾーンでは、鹿児島の図案さまざまなマテリアルで多彩に表現されている。プロダクトの詳細は以下のよう。
◇ さまざまなジャンルのブランドとのコラボレーションワークス。
◇ 2013-16年に東京・青山のショップ「doinel」にて開催された「鹿児島睦の図案展」のアーカイブと、様々なデザイナー、作家、メーカーとのコラボレーションによって展開するZUAN&ZOKEIプロダクト。原画と制作背景も合わせて紹介。
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