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折り紙×風呂敷×テクノロジー=ORISHIKI。開発者、インダストリアルデザイナー川本尚毅の軌跡【INTERVIEW--1/2】

FASHION HEADLINE / 2017年4月9日 18時30分

全く英語ができなかったのでまずは語学学校へ通ったのですが、慣れてくると段々生活が退屈になってしまっていたので、目的を見つけるためにRCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)というアート系の大学院を受験してみました。インダストリアル・デザイン・エンジニアリングコース(現在のイノベーション・デザイン・エンジニアリング)で学び、卒業制作として発表したのがORISHIKIです。



ーーORISHIKIのコンセプトについて詳しく教えてください。

ORIは折り紙の「折り」、SHIKIは風呂敷の「敷」と◯◯式など方法を表す「式」を組み合わせた造語がORISHIKIです。風呂敷のように物を包み込みながら、荷物としての機能を果たす全く新しいコンセプトの鞄のシステムです。平らな状態であればA3ファイルと同等の大きさなので収納にも便利で、商品を発送する際も輸送コストや倉庫のコストを削減可能。また、フレームにはアルミなどの金属、マホガニーなどの木材など多様な素材を使用することができ、表情も変化します。フレーム素材に伝統工芸である漆を採用したORISHIKIも制作し、最新技術と伝統技術を織り交ぜた無限の展開を期待できると考えています。

2009年に誕生し、2012年にはORISHIIKIを自動的に生成できるシステム、ORI-CONというソフトウェアを開発しました。これは、包む対象物の計上・形を3Dスキャンで読み取り、それに合わせた大きさや三角形の数を自動的に計算して専用のORISHIKIが形成できるというもの。ORISHIKIはバッグの名称ではなく、システムとして認識して頂けると。

当初、量産を念頭に置いてデザインしましたが、まだそこには至っていません。3Dプリンターで出力したとしても、その後に研磨したり樹脂で繋ぎ合わせたりと手作業が必須なために、販売価格が30万円程に跳ね上がります。現状はオーダーメイドのみで受注を受けていますが、量産に向けて少しずつでも前進していきたいですね。

ーーORISHIKIのコンセプトやデザインはどのように、いつ生まれたのですか?

イギリスでの生活やRCAで学んだことがORISHIKI誕生の背景にあります。RCAでは何かを生み出す時、他の誰でもなく“自分”が創ることの意味や持ち味を生かして創作することを求められました。製品を裏付ける根拠やストーリーがないと、単位取得も認めてもらえなかったほどです。

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