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折り紙×風呂敷×テクノロジー=ORISHIKI。開発者、インダストリアルデザイナー川本尚毅の軌跡【INTERVIEW--1/2】

FASHION HEADLINE / 2017年4月9日 18時30分

卒業制作に取り組んだ時、まずはスーツケースを作るという案があって多くのアイディアを出したのですが、教授を納得させられるほどのものはなかなか出ず…。改めて自分のルーツである日本を客観視し、折り紙や風呂敷の折る・包むといった特有の文化が面白いなと感じ、技術とアイディアを使って応用すれば全く新しいプロダクトを生み出すことができると思いました。ある時、A4の紙をクシャクシャと包んでできたシワを見て、「このシワをトレースして強度もあれば包んで持ち運べるケースとして形になるのでは」とヒントを得たのです。そこからリサーチや練り直しを幾度と重ね、最終的に壁紙の一部を切り離して旅行に持って行けるというコンセプトの元、ORISHIKIのスーツケースが生まれました。物を運ぶ役割だけではなく、パーソナルな空間を移動させることができるアイテム。


「ORISHIKI」のスーツケース
卒業後も、ORISHIKIに興味を持ってくれた企業からたくさんお声を頂いたんですが、生産には至らず。理由はいくつかありますが、まずは作るのが果てしなく大変なこと。工場にORISHIKIの部品を開発できる技術がなかったり、今ある商流に乗って生産できるのであればいいが、資金を出して研究して時間をかけて生産するといったリスクを負うほどではなかったんですね。ものすごい速度で動くファッション業界では、“時間をかける”ということは難しいんだな、とその時実感しました。

また、リーマンショックが起きて世の中の空気がガラッと一変。当時は海外のメディアにもたくさん取り上げてもらい、多くの人に会い、プロジェクトも立案はされたのですがリーマンショック後にほとんどが頓挫してしまい、気持ちの浮き沈みも激しかった。

約2年間ロンドンでフリーランスとして活動していましたが、不況の影響も大きく、ビザの関係でどうしても帰国しなければならなくなりました。どうしてもORISHIKIを諦めたくなくて、一度ついた火を絶やさないでくれと言ってN&R Foldingsを立ち上げて、パートナーであるロドリゴに託してロンドンを後にしました。なんとか世に出したい、なんとか続けたられないものかと努力していましたが、なかなか思う通りに運ばず日本に帰国した直後は苦しい時期でしたね。


後編へ続く。

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