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踏みしめる大地をもアートに変える「北アルプス国際芸術祭」の見どころ――夏の信濃大町アート旅2/3

FASHION HEADLINE / 2017年6月17日 7時30分


3) 源流エリア―霧に包まれた新緑に、清らかなブルーの雪解け水
北アルプスの雪解け水が流れる鹿島川流域のエリア。黒部ダムや大町温泉郷などの有名な観光名所もあり、信濃大町が「水のまち」であることをもっとも強く印象づけます。作品も「水」そのものを扱った透明感あふれる作品が多く、合計9作品が鑑賞できます。



北アルプスの雪解け水が流れる鹿島川流域のエリア

自然素材を媒体に表現を展開してきたオーストラリアのアーティスト、ジェームス・タップスコットさんは、仏崎観音寺で《Arc ZERO》という作品に挑みました。参道にかかる太鼓橋の下には、青い雪解け水が勢いよく流れています。この橋を包み込む、光る霧のリングが出現。「水を使った作品ではなく、水そのものを作品にしたいと考えました」。水蒸気から雲が生まれ、山に雪を降らせ、その雪解け水が川に集まり海に注ぎ、また水蒸気になり……という水の循環を表現しているといいます。橋は此岸と彼岸を隔てる境界。光を放つ霧は針葉樹の木々の奥へと広がり、見るものを別世界へと誘います。


ジェームス・タップスコット《Arc ZERO》photo by Tsuyoshi Hongo

ジェームス・タップスコット《Arc ZERO》photo by Tsuyoshi Hongo

フィンランドのマーリア・ヴィルッカラは、大町温泉郷にある森林劇場で、普段上がることのないステージに観客が立つと、建物全体が水で満たされている感覚に見舞われる作品をつくりました。その名も《ACT》。舞台では一般的に、役者(主役)が動き、観客はそれを見るのですが、その主客が転倒するという驚きの仕掛けが待っています。


マーリア・ヴィルッカラ《ACT》photo by Tsuyoshi Hongo

大町の温泉郷の空き店舗では、写真や映像、音を素材とする新津保建秀さんと、複雑系科学・人口生命の研究を行う池上高志さんが、大町市の歴史における「塩の道」に着目し、《不可視な都市:ロング・グッドバイ》と題した地下室に氷室を抽象化した建築空間の床に大量の塩を敷くインスタレーションを制作します。


新津保建秀+池上高志《不可視な都市:ロング・グッドバイ》

「北アルプス国際芸術祭」ガイド―夏の信濃大町アート旅3/3へ続く...

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