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雪解け水のつくる湖と穏やかな人々の生活感「北アルプス国際芸術祭」の見どころ――夏の信濃大町アート旅3/3

FASHION HEADLINE / 2017年6月17日 8時30分


五十嵐靖晃《雲結い(くもゆい)》photo by Tsuyoshi Hongo

元旅館だった空き家では、地域の民話や素材を活かしたまちづくりに取り組むYAMANBAガールズが、《おこひるの記憶》と題して、信濃大町の暮らしや文化、生活の知恵を、食とともに提供するプロジェクトを行っています。子どもの健やかな成長を願う端午の節供や、農家の晴れの行事である田植えの「おこひる」(農作業の間に食べる軽食)などの初夏の郷土食を、それぞれにまつわる民話の語りとともに、地元の女衆が提供してくれます。開催は会期中の土日祝。事前予約を忘れずに(料金1,500円 TEL: 090-4461-3863)。


YAMANBAガールズ《おこひるの記憶》photo by Tsuyoshi Hongo

YAMANBAガールズのメンバー

元旅館ろまんすがこのプロジェクトの舞台に

●5) 市街地エリア―昭和風情の残る商店街

市街地を貫く本通りは「塩の道」。いまなお床下に水路が通る家屋が並び、そこここで水音が聞こえます。本通りを挟んで東側に女清水、西側に男清水が湧き、通りを境界に水系が異なり、飲み比べると味が違います。古い商店街、空き家、空き店舗などを舞台に、合計9作品が鑑賞できます。

昭和の風情と味わいを残す「大町名店街」。この名店街に軒を連ねる共同作業所「がんばりやさん」で、台湾の絵本作家、ジミー・リャオ(幾米)さんが《私は大町で一冊の本に出逢った》という、小さくて可愛い書店を作りました。ジミーさんが描いた60種類(!)のブックカバーの掛けられた古書は、表紙を開いて読み始めるまで、中身が見えません。絵葉書やノート、ブックカバーなどのグッズも販売。あわせて街中に「街中図書館」を展開するなど、思いがけない本との出逢い、楽しさに改めて気づかされます。


ジミー・リャオ(幾米)《私は大町で一冊の本に出逢った》


街のいたるところに図書館

「大町名店街」から本通りを渡った反対側の空き店舗内には、大規模なインスタレーションで知られる栗林隆さんが《第一黒部ダム》を築きます。高さ186メートル、日本一の大きさを誇り、毎秒10トン以上もの豪快な放水を見せる、あの黒部ダムを差し置いて(?)、約1/40スケールに再現した黒部ダムと温泉を組み合わせた作品です。温泉に見立てられた「ダム湖」の水は足湯として利用可能。「世紀の大事業」に浸かりながら、旅の疲れを癒やしましょう。

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